第三百八十七話 うるさい二人?止めろって!?
一話目。
今日も色々ありました。
5時からの用事のために1時に出発とか…あと、もう雪降んな。
『それでも枚数は一番多いままですよ?』
確かに、二人と比べて手札の枚数は私が一番多い。しかもさっきババを引いてしまった。
『ええい!勝負はこれからだと言うのが分からんのか!』
『分かってますが、現状が不利ということには変わりません。』
『そんくらい分かってる!一々報告しなくてもいいだろ!!』
頭の中がうるさい…頭痛が…
『よし!上がった!』
あ、デュアが上がった。
『一騎打ち、というわけだなぁ~?主よ。覚悟するが良いぞぉ~?』
今もなお言い争い続ける二人だけでもうるさいと言うのに、デュアとルソードのテレパシーまで混ざってきて頭がフラフラしてきた。
(気が…遠く…)
『『え?』』
私は気絶した。
『どうした!?守!?』
『おおぉ~い!?大丈夫かぁ!?』
デュアとルソードのテレパシーが伝わってくる。
「おい!どうした瑠間!?」
『何!?起き上がった!?』
『ぬお!?』
声に出た!?
と言う事は、瑠間と入れ替わったと言う事か。
(瑠間!)
『……』
呼びかけても返事が無い。
『気絶しているようですね…』
(気絶?しかし何故…)
『それは私達の口論のせいです。頭の中であれが大音量で流れてたんですよ?
しかもデュアさんとルソードさんのテレパシーも伝わってきたので、負荷が掛かりすぎて…』
(そうなのか…瑠間、聞こえてないかもしれないがゴメンな。)
『なんなんだ?突然倒れたり突然起き上がったり…』
『忙しい主だなぁ~?』
「…ああ、悪い悪い。ちょっと色々あってな。
あと、訳あって今の俺は守だ。」
『ん?瑠間の人格はどうした?』
「気絶した。」
『ぬぁにぃ~!?』
『本当に何があった…』
「それは訊かないでくれ。それより、俺の番だよな…おっ、これであと二枚だ。」
話を逸らすため、ババ抜きを再開させる。
多少露骨だった気がしないでもないが、ババ抜きに熱中しているこの二人なら乗ってくれるだろう。
『そうだったなぁ~…俺と主は勝負の途中だった事を完全に忘れていたぜぇ~…
しかし、この勝負は俺が頂くぞ?』
計画通り。
「させると思うか?」
二枚のカードをシャッフルし、カードを持つ。
『シャッフルなんて小細工、俺に通用すると思うのかぁ?』
と言ってルソードが引くが、それはジョーカーだ。思いっきり通用してんじゃねえか。
『ぬぁにぃ!?』
「もらった!」
『させるかぁ!』
ジョーカーじゃない方のカードを引こうとするが、避けられてシャッフルされる。
『さすが主、とでも言うべきか。油断も隙も無い。』
「フン、この俺に油断して勝てると思うか…?」
『そうだったな。主は毎回敵を油断させてそこを突く戦術を取っていたからな。』
「毎回じゃねえよ!」
確かに過去数回そんな戦術を使ってはいたが。
「まあ、油断しなくても楽勝だけどな!」
しかし、引いたカードはジョーカー。ババだ。
『この状況になっている時点で楽勝じゃないと思うがなぁ~…』
「や、やかましい!」
二枚のカードをシャッフルしながら言い返す。
『これで終わりだぁ!』
「しまっ…」
ルソードが引いたカードはジョーカーではない。
『勝った…ようだな。主、俺の勝ちだ。』
負けた。初心者なのに俺を負かすとは…
「ルソード、お前には才能があるぞ。」
これで喚いてしまえば、それこそ色々なものに負ける気がするので素直に褒める。
『と言う事は、一抜けした我にも才能があると言うわけだな。』
「そ、そうなるな…」
はっきり言ってデュアのことは完全に忘れていた。心の中で謝っておこう。すまん。
「なかなか、熱い、戦い。」
「そうだな…って、誰だ!?」
テレパシーではないことを考えると、デュアでもルソードでもないし、瑠間でも女神様でもない。
辺りを見回すと、先程まで食べ物を食い散らかしていた巨大な人間モドキがすぐ近くまで来ていた。
「オマエ、近くで見ると、なかなか可愛い…」
「ひぃっ!?ち、近寄るな!!」
ニヤついた顔でそんな事を言いながら近付いてきたので、思わず身震いして後ずさりしてしまった。
なんと言っても三メートルの巨体だ。迫力がありすぎる。
「そんな、オマエに、言いたいことがある。」
「な、なんだ…?」
人モドキはかなり真剣な顔になった。
言わないでくれた方が良い事な気しかしない。やっぱ止めたで終わらせてくれ…!
「オマエ、オレの、ものになれ。」
終わりませんでしたー。
ってか、告白かよ。もうヤダこの顔…




