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第三百七十九話 マジで危なかった?俊太も同情!?

二話目。

する事が無いと危機感を感じる。なんででしょう?

「食らうが良いウサ!ハッ!」


 フラルは手から泡を出し、鉄格子にぶつける。そしてぶつかった泡は…


 ドーーーーン!!


 派手に爆発した。


「おい!割と危なかったぞ!?」


 爆発したのは俺から割と近い場所だった。そこから離れろとか一言言えよ!


「ああ、そこにいたウサ?」


「思いっきりニヤニヤしながら言うな!殺す気か!!」


「いや、滅相も無いウサ…チッ。」


「今の舌打ちはなんだよ!?こええよ!!」


「……」


「スルーかよ!」


 とにかく、鉄格子が壊れたならさっさと出て…


「何!?」


 壊れていない。鉄格子は傷一つ付いていなかった。


「どういうことウサ!?鉄くらいなら粉砕できるくらいの威力はあったはずウサ…」


 おい、人の近くでなんて威力の爆発させてんだ。

 ……ん?良く考えたら、そこに縄の塊が転がってたはず…


「う゛~……」


 さっき転がっていた場所から少し遠い壁の近くに転がっていた。

 良く思い出すと、泡が爆発した時にものすごい勢いで転がってたな。

 さっきよりもますますゾンビのような呻き声になっている。よほどダメージを受けたと見える。

 って、あの中に誰か入ってんのか?


「なあ、あの縄の中って、誰か人がいんのか?」


「ハァ?いなかったら呻き声なんてしないウサ。まさか今更気付いたウサか?」


「やかましい!」


 一喝した後必死に考える。

 地下で縄の中にいるという表現がふさわしくなっているほど縛られている誰か…何か引っかかるな。

 …待てよ?確かギーナは落とし穴に落ちる前、守は下にいるって言ってたよな。

 よってこれから出される結論は…


「………分からん。」


 後一歩のところで分からない。フラルに相談してみるか。


「なあフラル。あの縄の中って、誰かいるんだよな?というか縛られてるんだよな?」


「そりゃあそうだろウサ。それがどうしたウサ?」


「で、守も地下にいるんだよな?」


「……なるほど。俊太が何を言いたいのかが分かったウサ。」


 おっ、察してくれたか。

 この先が分からない事を。


「とにかく、あの縄をなんとかすれば良いウサ?」


「…はぁ?」


 なんでそうなる?

 ってか、フラルは何を察したんだ?


「そうするにしても、あの縄は解けねえぞ?どうすんだ?」


「まあ、解けなければ切れば良いじゃないウサ。」


 と言って、フラルはどこからかナイフを取り出す。


「って、そんなんがあるんなら最初から使えよ!」


「どうやって解けばいいかを模索する、と言う謎解き染みたことが面白かったから縄をどうしても解かなければならないって時まで取っておいたウサ。」


「取っておく意味があるか!?減るもんじゃないだろ!!」


「切れ味が微妙に減るウサ。」


「微妙ならいいだろ!」


「それより、早く切るウサ。」


「俺が切るのかよ!」


「良いウサ?慎重にしないと、縄の中の人間まで切るウサ。精々頑張るウサよ。」


「なおさらお前が切れや!!」


 俺はナイフで何かを切るのは得意じゃない。包丁を握って料理したすら無いからな。


「ったく、人使いが荒いウサ…」


「お前が言うな!!」


 フラルは渋々と言った様子で縄を切り始めた。







「…マジで?」


「って、俊太は気付いてなかったウサ?あんなにヒントがあったのに。」


 縄の塊の中身はリセスだった。

 一体どうやってここに来たんだ?落ちてきたのは俺とフラルだけのはずなのに…


「まったく、まだ男に戻ってなかったウサ?一体今まで何をしてたウサ。」


 男に戻ってなかった?

 リセスに何を…って、ああ!


「お前ひょっとして守か!?」


「って、まだわからなかったウサ!?」


「う゛!?」


 なるほど。やっと話がつながってきたぜ…

 フッフッフ、ドヤ?


「なんかドヤ顔してるけど、俊太でなければ誰でも分かってたウサ。」


「う゛。」


「何!?皆頭良すぎだろ!?」


 まさかそんなに頭が良かったとは…知らなかった。


「俊太が馬鹿なだけウサ…」


 フラルの呟きは小さすぎて聞こえなかった。


「それより、守はいつまで呻き声で会話する気だ?」


「う゛~!う゛~!!」


「……俊太にはこの猿轡が見えないウサ?」


「猿轡?なんだそれ?」


「「……」」


「二人して黙るな。」


 手錠の別名か?それとも足についてる奴の事か?

 だが、そんなのあっても口は動かせるしな…


「良いウサ?猿轡っていうのは…」


 フラルが守に近付き、守の口を塞いでいるものを取る。

 更に、俺の目の前に今取ったそれを近づける。


「これのことウサ!」


「喋れないって言うヒントが出た時点で察してよ…」


 ああ、それのことか。


「って、守の口調なんか変じゃねえか?」


「ああ、そう言えばそうウサ。

 顔は女々しくなっても、演技とか記憶喪失とかでもない限り喋り方はしっかり男口調の守がどうして…」


「そ、それは色々と酷いんじゃないかな…顔だって元々変えたくて変えたわけじゃないし。」


 薄情薄情とは思っていたが、平気でそんなに言えるとは…ひでえな。さすがに守に同情する。

 さて、何故口調が変わったんだろうな。その辺をバッチリ聞いてから脱出するか。

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