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第三百七十一話 試練開始?耳に良くない!?

一話目。

昨日は疲れたので早く眠って朝執筆する事にしました。

歩きつかれたの何の…バスに乗り遅れなければな~…

「準備が終わった。

 この建物から出た時点で試験は始まる。それまでに心の準備を終わらせておく事だな。」


 長達と話した部屋で待っていると一人の忍者が突然現れ、準備が終わった事を伝えて消えた。

 とうとうか…


「さあ、アンタの仲間も待っていることだろうし、さっさと行こう!」


「ああ。」


 俺は緊張気味になっている子供についていく。

 さて、忍者の戦いを見せてもらおうか…







 カキィン!


 今のはボールをバットで打った音ではない。どこからかやってきた忍者の刀を、子供の刀が受け止めた音だ。

 未熟者などと呼ばれている割に、大の大人の一撃を受け止めるだけの力はあるらしい。

 しかし、まさか建物から出た直後に攻撃が来るとはな…しかもそれが本物の刀って殺す気かよ!!


「この程度の攻撃を防げないとでも思ったか!?

 伊達に修行をしているわけではない!!」


 押し返した!?どんな修行をしたんだコイツ!?

 さっきも確認したが、切りかかっているのは大の大人。

 こうなってくると、大人の方が修行不足に見えてくる。大人ェ…


「早く行こう!」


「あ、ああ。」


 この試練は一定時間が経てば終わるのではなく、決められた地点に移動するまで続く。

 早く移動すればそれだけ早く試練が終わり、危険も少ない。

 子供もそれを理解しているのだろう。気配に焦りが混じっている。

 焦りだけでなく他にも混ざっているものもあるが、一番多いのは…


「!

 後ろだ!!」


「くっ!」


 子供の後ろから一人の忍者が出てきた。

 俺はとっさに叫び、子供はその声で忍者に気付く。

 目視できるようになるまで俺も気付かなかった。気配が無かったせいだろう。


「おい!もう一人来たぞ!」


 デュアとルソードがいれば俺が迎撃していたが、二人は今皆のところにいる。

 男に戻って障壁を使いたいところだが、それには隙が生じる。

 俺にも気配を隠すことが重要と言ってきたのだ。俺が襲われないと決まっているわけではないだろう。なのに隙を見せるのは愚策にも程がある。

 それに、男に戻ったことで子供が動揺し、その間にバサリ…ということも考えられる。だから実質、俺は男に戻ることが出来ない。

 魔法と体術。そして、機能を付ける物が無いと何も出来ない能力に頼るしかないのだ。


「忍法を使うしかないか…」


 子供が呟くと、子供からもう一人の子供が出てきた…ように見えた。

 しかし、それは幻覚ではない。何故なら子供を背後から襲おうとしていた忍者の刀が、子供から出てきたもう一人の子供の刀に受け止められているからだ。

 しかも、それだけではない。二人の子供にはどちらにも気配がある。


「…分身の術…?」


 それが頭に出てきた言葉だった。

 忍者の定番中の定番、あらゆる創作物に出てくる忍者が使っている術。それが分身の術。

 それが目の前で起こった。いや、子供が起こして見せた。


「「ハッ!」」


 ガキキン!


 そのことに呆然としていた俺は、背後に忍者が来ていたことに気付かなかった。

 それを二人に増えた子供が受け止めて押し返していた。

 さっきまで戦っていた忍者はもう居ない。撃退していたらしい。


「「あまりボーっとしないで貰いたい!」」


「わ、悪い!」


 ボーっとしていたのはこちらの失敗だ。

 子供のフォローに感謝しつつ、俺は先を急いだ。







「「「「それは身代わりだ!ハッ!」」」」


 さっきから続けざまにどんどん出てくる忍者と、それを迎撃する子供。

 子供は忍術の扱いが素人目でも分かるほどうまい。

 さっきは影分身の術みたいなものを使って忍者をかく乱させていたし、今は身代わりの術を使って忍者の攻撃を防いだ。

 あと、ついでに分身の術で更に子供が増えた。四人くらいいる。

 以前王城に行った時の俺たちもこんな感じだったのだろうか。町中で見かけたら二度見する事間違い無しだなこれは。


「「「「しかし、何分なにぶん敵が多すぎる…」」」」


「その前にお前が多すぎる。一回一回喋るごとに全員話すのかよ。」


 毎回四人同時と言うのはやかましい。耳に良いとは言えない。


「「「「とはいえ、この方が多くの敵に対応できてだな…」」」」


「分かった分かった。もうそのままで良いからさっさと行くぞ。」


「「「「聞け!」」」」


 やかましいが、それでも敵の撃退に一役買ってくれるなら仕方ない。

 そう納得した俺は、また先に進むのであった。


「「「「あ、その道は右だ。」」」」


「……わ、わかってたし。」


「「「「視線が明後日の方向に思いっきり飛んでいては説得力が無いぞ…」」」」


 し、知ってるし。

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