第三百五十七話 察しが悪い?何故そこまで焦る!?
一話目。
昨日はグッスリ寝てました…12時間くらい。
睡眠時間三時間弱はきつかったですからね~…
これは余談なんですが、夢っていうのは疲れているほどはっきり見やすくなるんでしょうか?
いや、夢は浅い睡眠の時に見るって聞いた事があったので…
…作者は睡眠が浅い体質なんでしょうか?
「取材なんて許して良かったのか?」
新聞部の部員に連れて行かれる守を見送り、俊太がポツリと呟く。
「どうせ何も答えられずに終わるわ。だって何も覚えてないから。」
光の言うとおり、守は記事になることを聞くことは出来ないだろう。
記憶喪失のことがばれるかもしれないとはいえ、特に隠している訳でもない。だからばれても別に良いと思う。
それなのに止めなかったのは、理由がある。
「最近の守はよく新聞に載ってるから、その記事を見れば記憶が戻るかもしれないじゃないか。」
そうでなくても、最近の出来事を知ればそれをきっかけに記憶が戻るかもしれない。
と言う訳だけど…
「それ、大丈夫なのか?
ちょっと前にギーナと津瑠との熱愛疑惑が載ってただろ?」
「そう言えばそんなこともあったわね…あ。」
「…あ。」
「皆どう…あ。」
僕達は俊太が言いたい事に気付く。これはまずいかもしれない。
「ねえ、最悪瑠間の正体がばれるんじゃ…」
「…考えられる。」
「早く守を止めに行かないと…!」
「なあ、なんで正体がばれるんだ?」
…なんで俊太は変なところで察しが悪いのかな。
「おい!答えもせずに走り出すな!!」
一刻を争えない状況を知った僕達は、察しの悪い俊太を無視して新聞部室に走った。
「前に居た高校は何ていう高校でしたか?」
「南蛸野高校です。」
新聞部の部員に連れてこられた私は、過去の記事に目を通しながら質問に答えていた。
「もし前の高校の事を訊かれたら南蛸野高校と答えろ。」
って父さんに言われたから答えたんだけど、完全に南凧野高校を読み変えただけだよね。
あと、質問がしつこすぎて新聞を読むのに集中できない。おかげでなかなか進まない。
一枚目では記憶が戻る事は無かった。
こんな事もあったなー、となんとなく思う程度だ。記憶が戻るには至ってない。
さて、二枚目は…
「待って!」
二枚目に移ろうとした瞬間、光さんが部室に乱入してきた。
「なに?今質問で忙しいんだけど…」
「それどころじゃないんだ!早く来て!!」
火太郎さんは何か焦った様子で私を引っ張る。
あの部員はまだまだ質問がある様子だけど、仕方なく引っ張られることにした。
質問は後で答えられるだろうけど、急ぎの用事だったら今しかないかもしれないからね。
「ちょっと待って!」
待てなくてごめん。
私は心の中で謝りながら走って行った。
「なんでここに連れて来たんですか?」
連れてこられたのは図書室だった。
何かあるとここに連れて来られてる気がするけど、今度はなんなんだろう?
「ちょっと思い出したことがあってな。少し話があるんだ。」
「話?」
「ああ、まだ思い出さない方が良いと思ってな。お前がおと」
「ストップ!何口滑らそうとしてるの!!」
おと…音?
「音がどうしたんですか?」
「え、あ、ちょっとね。なんでもない。こっちの話よ。」
???
「それはさておき、僕達はこの図書館で記憶を取り戻せないかって思ったんだよ。
記憶が無くなる前も何回か呼び出されてたみたいだから。」
「なるほど…って、それなら別に新聞部の部室でも良かったのでは?図書館は後日にしておけば良かったと思いますが。」
「……そ、そうだね。焦ってて思いつかなかった。」
そこまで焦る理由が分からないけど、とにかくこの場所にも手がかりがあることが分かったから、調べるかな。
でもその前に。
「…今見ようとしたのは何?」
「これですか?突然引っ張られていったから、見ようとした新聞をそのまま持ってきてしまったんですよ。」
と言って、新聞に目を通す。
「あ、ちょっと待って…」
光さんが何故か制止の声をあげたが、遅かった。
新聞の記事を見てしまった私は、衝撃のあまり絶句し、金縛りにでもあったかのように身動きが取れなくなった。
何故ならそこにあったのは……顔を真っ赤にした津瑠に引っ張られていく、”男子の”制服を着た私の姿だったからだ。




