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第三百四十七話 集まっていく欠片?深まる誤解!?

一話目。

 あの後、ルクアさんの案内の元私が倒れていたと言う場所に来た。

 記憶が少しでも戻るかもしれないという望みをかけて。


「ここなんですが…なにか思い出したことは?」


「……」


 ここが記憶がなくなる前に居た場所…

 ……!

 一瞬何かが見えた。

 しかし、見えた光景はぶれていて何も分からない。頭が激しく動いたみたいだ。


「…何か見えたけど、ぶれてて何も分からない。けど、記憶は順調に戻ってきてる。」


 とはいえ、記憶の欠片はまた一つ集まった。

 これだけ短い時間で見つけられた。順調だ。

 この調子なら記憶を完全に取り戻す日も近いだろう。


「ぶれた?なにがあったんでしょうか…とにかく、少しとはいえ、記憶は戻ったんですね?」


「はい。では、この村を回ってみましょう。もしかしたら何か思い出すかもしれません。」


 早く記憶を取り戻したい。記憶を失う前の自分が何をしていたのかを知りたい。

 その想いを更に強くしつつ、私は歩き始めた。







「一通り回ってきましたが、少しでも記憶は戻りましたか?」


「いえ…」


 村を一通り回ったものの、記憶がそれ以上戻ることは無かった。


「あれ守じゃない!?」


「いや、リセスじゃないか?」


「私はここですが…」


「じゃああれが守?なんで女の子になってるんだろう?」


「え?いや、性別が変わるなんてある訳が…」


「あるのよ。この世界は何でもありって言ったでしょ?」


 ルクアさんの家に戻ろうとした時、そんな声が聞こえてきた。

 さっきもそんな名前が出たけど、守って何者なんだろう。

 ふと、そんなことを考えてみた。

 するとさっきまで村中歩いたのはなんだったのか。と思うほどあっさり記憶の欠片が戻ってきた。


『守さんを知ってるんですか!?実は昨日魔物に襲われていたところを助けられたんです!知っているのなら教えてください!お礼がしたいので!』


 今戻ってきたのは、自分の台詞だった。

 思い出した光景は以前名乗った時のものとほぼ変わっていないことを考えると、前の記憶とこの記憶の時間差はあまり無いということかな?

 …守さんは…もしかたら命の恩人なのかもしれない。会ってみたいし話してみたい。

 そして、記憶を失う前の私のことを聞きたい。けど、今はそれじゃない。

 さっきの声の方向を見てみると、その記憶の光景に居た数人が居た。

 あの光景に居て今はいない人と、今居てあの光景に居ない人も居るけど、少なくとも私が記憶を失う前に会っていた人が居るということ。話してみれば何か分かるかもしれない。それが守さんじゃなくても。


「ちょっと待ってください。あの人達…」


「なんですか?

 …こちらに向かってきますね。」


「そうですね。あの人達…うわっ!?」


 突然ルクアさんがドアを素早く開け、私を家の中に押し込んだ。そしてルクアさん自身も家に入る。


「さあ、裏口から逃げましょう。」


 逃げる?何故?

 …ああ、そういえばまだ言ってなかった。


「私の戻った記憶の中に、彼女達の姿もありました。なので、彼女達と話せば記憶が戻るかもしれないんですよ?」


「!

 …しかし…彼女達はもしかしたら敵かもしれないんですよ?

 そんな相手とこの状態で戦おうとしても、逃げるのが精一杯です。」


 …確かにそうかもしれない。

 私を知っているからと言って、それが必ずしも私の味方である保証は無い。

 しかも、私はこんな状態。襲われればひとたまりも無い。


『…………………さあ、リンチの時間ね…』


『俺達を見捨てた上に待たせやがって!』


 突如記憶の欠片が戻った。

 これはさっきの人達…の内の四人?

 見捨てた?待たせた?なんのこと?


『………そう、被告の判決は有罪!!』


 …こんなに小さい子が、どうしてこんなに恐い表情を?

 しかも後ろの人は縄持ってるし…

 ……間違いない。彼女達は確実に敵。危ないところだった。もう少しで自分から襲われに行くところだった。


「確かに、彼女達は敵のようです。早く逃げましょう。」


「もしかしてまた記憶が…」


 私は、鍵を閉めて裏口に案内しようとしていたルクアさんについて行った。

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