第三十六話 俺は怖がりだ?合流はいつなんだ!?
俺と太郎は今空けた穴に入っていった。
壁に隠された空間、そこには机、椅子、本が所狭しと並ぶ本棚、そして奥に通じる扉だった。
「なんなんだここは?」
「ん?机の上に何かあるな…机を照らしてくれ。」
太郎が何か見つけたようだ。…そうだ。
俺はあることを思いつき、棒状の障壁を出す。
「守?なにをするつもりだ?」
「まあ、見てろって。」
俺はその障壁に障壁が光るイメージをして、魔法をかけた。すると…
「うわ!?障壁が光った!?」
「よし!実験成功!」
「なにをしたんだ?」
「ああ、障壁に魔法が付与できるかの実験をしたんだよ。多分、障壁以外でも出来ると思う。」
実験は成功し、障壁を懐中電灯のように光らせることに成功した。
そして、太郎に渡す。
「でも、消すときどうすんだ?」
「…消すときは俺に言ってくれ。」
消すときのことを考えてなかった。まあ、いいだろう。
「で、机の上だったな。どれどれ…」
そう言って俺は机の上を照らす。…これはノートか?
「どうやら日記みたいだね。」
日記?何かもう嫌な予感しかない。
「読むのか?」
怖くなったので訊いてみた。俺ってこんなに怖がりだったっけ?この廃屋に入ってから俺は怖がりになった気がする。
「ああ、面白そうだしな。…なんだ守。お前、怖いのか?」
「怖い!具体的にはここに来た時から!」
「断言しやがった…お前、何かに憑かれてるんじゃないよな…?」
「そう言うの止めてください怖くて怖くて仕方ないんです。」
「…大丈夫かお前…」
「だいじょばない!」
「…もういいや、俺が勝手に黙読してるよ…」
「わかった。」
太郎は黙って日記を読み始めた。
「守の奴、マジでどこいったんだ…?」
俺達五人(フォルフも入れて)は守捜索を続けているが、依然として守は見つからない。
「まさか俺達が探してたところに?それともどっかに階段が?」
「ここまで階段は無かったでしょ…」
「しかも外から見たところによると、二階は無かったし。」
ギーナと火太郎が言った。
「となると地下室…?」
「…かもしれない…」
今のは光と移図離だ。…移図離?
「移図離!?お前いつの間に…!」
「「「『あっ!!』」」」
どうやら皆気づかなかったらしい。なんかフラルもいる。
「…ちょっと前…」
「オレは移図離と同じタイミングで来た。」
全く気がつかなかった。もうお前ら隠密部隊にでも入れよ。なんのだかは知らんが。
「…階段ならあっちにあった…下に行くヤツだったけど…」
「本当か!?」
そこに行くしかあるまい。
「よし!その階段に行くぞ!ちょうど行き止まりみたいだしな!」
「え?…本当だ!なんてタイミングだよ!?」
「火太郎、そんな細かいことはいいじゃないか。」
「…まあ、そうだね…じゃあ、行こう!」
俺達は移図離の案内のもと、地下への階段に向かった。
ちなみに守も守捜査班も、途中にあった部屋もしらみつぶしに探しています。特に変わったものは無かったので書きませんでしたが。




