第三百三十九話 いきなり面倒事?説明メンドイ!?
二話目。
「誰この人…」
「この人達誰なの?高壁君とはどういう関係?」
なんというか面!胴!な事になった。
今日は土曜日。これから異世界に行くぞというのに、いきなりコレである。
状況を詳しく分析すると、昨日の約束通りに俺の家に来た津瑠が、女ばっかりの居候を見てなぁにこれぇ?状態になっているのである。
「居候だ。異世界出身のな。」
「へぇ~、この人達が異世界の人達なんだ。よろしく!」
「こちらこそ…と言いたいところだけど、この人は誰なの?守。」
「ギーナは知ってると思う。」
「私に丸投げしないで…この人は何日か前に会った知り合いよ。」
「そして、高壁君の恋人でもある…」
「ストップ、恋人じゃない。俺は告白にオーケーを出した覚えは無い。」
「言ったよ!
…夢の中で」
「夢の中はノーカンだ。」
なんで津瑠の夢の中の俺の言った事もカウントしてるんだよ。その俺は俺じゃない。俺と平行世界の俺くらい違うぞ。
「なんだ、言ってないんだ。つまんないのー。」
タ、タカミ…なんでそんなに残念そうなんだ。しかもなんか皆残念そうだし。
所詮人は恋愛の申し子と言うのか…おお!神よ!!
『なんですか?』
だからお前じゃねえよ!!
『ついでに言うと、私も残念です。』
おお、神よ…神も恋愛の申し子というのですか…
『恋愛の神様ならいますけどねー。』
あ、いるんだ。
『あと、人間のいる世界の神は、割と性格を人間に左右されやすかったりします。』
へー、そうなんだー。
『だから神様でも人間を恋愛する事はあるらしいですよ?』
へー、じゃあもしかして、あの本の平行世界の女神様は同じ世界の俺が好きだったり?
『…それ以上言うと本気で怒りますよ?』
ごめんなさいマジで許してください。
…災いは口からって、よく言ったものだな~。口に出してないけど。
『考えているだけで言った事になりますからね。』
まあそんな事より、早く異世界に行くか。皆自己紹介を終えたらしいし…なんで俺とリセスを見比べてるんだ?
「高壁君が二人!?」
あ、そう言うことか。
「ああ、リセスはそっくりさんだからな。」
「そうですよ。」
「そっくりさんなんて実在するんだ…」
します。
さて、そろそろ…っと、そうだった。
「そう言えば前回は令音を置いてけぼりにしたが、今回はついて来れるか?」
「うん、魔法はばっちり習得したから大丈夫なの。」
今回は令音も来られるらしい。
さて、いつものメンバーに二人加わり、旅の人数は20人と2匹となった。大所帯にも程がある。
障壁の機能で俺に触れた人に触れた人も転移は出来るが、もし俺に触れた奴だけだったら…無理だっただろうな。
「魔法?魔法って、あの魔法?」
「そう。ちなみにイメージと魔力の使い方が大事だったりする。後でギーナに習ってくれ。」
「分かった。」
「よし!じゃあ俺と俺につかまっている奴につかまれ!」
「あれ?ちゃっかり犬と子猫も一緒だけど…」
津瑠はフォルフとレイを見て疑問を投げかける。自己紹介してなかったのかお前等。
ちなみにレイだが、今はキャビの肩に乗っていて、入れ替わりが終わった日からは俺の肩にも乗ってくれなくなった。
爪には猛毒があるから命がけだったとはいえ、悲しい。
『…俺は犬じゃない。マルフだ。名前はフォルフ。』
「喋った!?」
「ミャー。」
「猫じゃなくてレイガーだって。」
「その猫の言うことがわかるの!?」
「そいつらも異世界出身の魔物と幻獣だ。キャビは獣人だから分かるらしい。
あと、準備が出来たんだから早く行きたいんだが…」
「あ、ごめんごめん。でも、どうやって行くの」
「これで。じゃあ行くぞ。」
俺はもう説明がめんどくさくなってきたので、なんか言われる前に出発した。
「到着。行くぞ。」
「え?もう着いちゃった?早い!」
俺はデュアに持ってきて貰ったソードホルダーを着け、剣に変化したデュアとルソードを鞘に収める。
「…あれ?さっきまでいた子供二人は?」
津瑠は目ざとく気付いたらしい。
また説明するのか…と内心しょんぼりしながら、また異世界初心者の津瑠に説明するのであった。
現代人が守一行に参入するとこうなります。




