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第三百三十五話 カッコいいのか間抜けなのか?ことわざばかり!?

一話目。

もうすぐ大晦日。今年ももうすぐ終わりか…

…お年玉の用意は間に合うかな?

 次の日になった。

 ただ今登校中だが、相変わらず家をしばらく歩くと例の気配がした。

 ぶっちゃけなくてもかなり気になる。いつまでも放っておくわけにもいかないな…

 俊太じゃないが、マジでこちらから出向くか。

 しかし、その危険性は光から聞いた。それを知りつつも行ってみようか。

 危険を省みず行動…むしろ危険に突っ込んでいくか…

 …なんかカッコいい。


『それはただの間抜けですよ。』


 虎穴に入らんば虎子を得ず。時には危険を冒しても行動せねばならない時があるんだ!


『でもそれは今じゃないですよね。』


 今でしょ!


『もうそのネタは古いですよ。』


 なん…だと…

 まあ、常人に襲われても軽く撃退は出来る。いざとなれば能力も魔法もあるしな。


『その慢心が命取りですよ…』


 慢心?これは余裕と言うんだ。


『どうなっても知りませんよ…』


 大丈夫だ。問題無い。

 さあ、いざ戦場へ。


「守~!」


 なんというバッドタイミング。

 気配に向かって歩き出す直前、光に呼び止められた。


「おっす、そしてさらばだ。」


「早いわよ!っていうか、これから学校でしょ!?」


「先に行っててくれ!俺はちょっと遅れる!!」


「待って!」


「待てない!気配と決意が消える前に行くんだ!!」


 早くしないと気配はともかく、決意は無くなってしまうかもしれない。

 思い立ったが吉日。なんか今日の俺はことわざばっかりだな。


「気配…まさか、俊太が言ってた事を?」


「いつまでもほっとけないだろ。なにより気になるしな。」


 …なんかさっきから気配が一喜一憂しているかのように暗くなったり明るくなったりしているんだが。

 ちなみになんか今二段階で明るくなった。決意が消える前に行くんだ~とか気になるとか言った時あたりにな。

 やばい、決意が無くなってきた。この気配に近付くのがなんか恐い。


「…やっぱ止めようかな。」


「早い!?もう決意無くした!?一言前の発言はどうしたの!?」


「撤回する…」


「本当に何があったの!?決意どころか元気も無くなってるじゃない!!」


「気配を察知できなくていいよなお前は…」


「出来る人の方が少ないわよ…っていうか、この世界に出来る人がいるかどうかすら怪しいわよ…」


「とにかく、可能な限り早く学校に行くぞ。」


「えぇ~…本当にどうしたの…」


 この後、何事も無く三人と合流し、普通に学校に行った。

 やはり学校に入るまで気配が消えることは無かった。尾行なんて止めてくれ…







「よっし!学校終わった!帰るぞ守!!」


「帰りたくねえ…」


「何があった!?」


 もう尾行人が恐くなってきた。


「帰るのが恐いのではない。帰り道が恐いのだ!」


「なんか虚勢張ってるみたいな台詞だけどさ、机の下でガタガタ震えながら言われても説得力無いよ?」


「こっここれはネネネタだっだだ~。」


「…何言ってるか分からない。」


「逆に言いづらくない?」


「まあさすがにこれもネタだけどな。」


 と言って俺はゆっくり机から出て行く。


「…涙目だぞ?」


「泣いてなんか無い!完全に気のせいだ!!じゃあな!!」


 俺は人外じゃないダッシュで教室を出て行った。

 涙目は俊太がからかってきただけだ。泣いてはいない。

 …ん?目元が少し濡れてるような…いや、気のせいだこれは。そんな訳無いじゃないか。







「待って!」


 校門を出た直後、声を掛けられる。

 その瞬間、ありとあらゆるヒステリックな曲が脳内で再生された。

 何故なら、この声を掛けてきた奴の気配は例の尾行している気配と全く同じ。つまり…この声の主が尾行人の正体ということだ。

 恐る恐る声の方向を振り向く。そこにいたのは…


「って、津瑠?」


 一昨日尾行していた津瑠だった。

 その瞬間俺の脳内のヒステリックな曲が全て止まり、落ち着きが戻ってきた。


「なんでこんなところに…」


「えっと…そのことについて謝らなきゃいけないことがあるの…尾行なんてしてごめんなさい!!」


「それは知ってる。」


「え!?」


「あと、俺もこの前尾行なんてして済まなかった。」


「そのことは別に良いんだけど…なんで知ってたの?」


「気配察知で。」


「…そ、そんなことより、ちょっと私に付き合って!」


 と言い、津瑠は俺を引っ張っていく。

 別に抵抗する気は無いので、俺は大人しく津瑠に引っ張られていった。

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