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第三百三十二話 尾行終了?消えない気配!?

一話目。

四日ぶりの投稿。失踪してたと思っていた方、活動報告は見ましたか?

活動報告にアウトオブ本編を載せたので、そちらももし良ければ見てください。

あと、この話を読む前に警告。今回、”俺は目の前の悪友が憎い”のネタバレが含まれているので、そっちも読もうと考えている場合、そちらから見てください。

 アトラクションに乗った後、本格的に尾行が行われた…ら良かったのに。

 アトラクションから降りた後、カップルを見つけたまでは良かったのだが、周りの人間が声を掛ける機会を窺っていたことを気配で知った俺たちは、飛び出してきたナンパを首筋にトン、で気絶させ、周りのナンパを近づけなくさせることに成功させたのだが、そのナンパは俺たちが追っていたカップルを尾行していたのだ。

 しかもそのナンパ、それだけではなく、俺の文化祭で出来た友達の宗司を女装させ、カップルに扮して尾行していたのだ。

 俺たちは同じカップルを尾行しているもの同士で組み、四人で宗司とその友達…久宇くうと、俺と来ていたギーナで一度見失ったカップルを探し出した。

 その後色々あって、カップルの男の方、利区りくが女の方、津瑠つるを脅していることが判明。俺は男に制裁を加え、その後はギーナの提案により自主的に混ざってきた津瑠も加えた五人でテーマパークを回ったのであった。

 で、宗司と久宇、そして津瑠と別れ、俺とギーナは帰路についていた。のだが…


「…なんか後ろにいるな。」


「…ええ。」


 ピッタリと俺たちの後ろにくっつく気配があった。

 いつぞやのストーカーのようなおぞましいものは気配に混ざっていないが、時折黒い念のようなものが気配に混ざる。ぶっちゃけ恐い。


「しかもこの気配、なんか覚えがあるんだけど…」


「言うな。せっかく眼を逸らし続けてたのに。」


 触れてはならない事実な気がしたので俺はあえて知らない振りを決め込んでいたのだが、ギーナに指摘されてしまった。


「いっそのことこっちから出向いた方がいいんじゃない?」


「それはだめだ。」


「じゃあ、このまま尾行させるの?」


「それもだめだ。」


「じゃあどうするの!?」


「…撒くぞ。走れ!人外ダッシュ!」


「認めちゃった!?」


「魔法を使ってるからな!そりゃ人外にもなるさ!」


 俺たちは魔法で強化されたダッシュで帰った。


「は…早い…」


 後ろから小さな声が聞こえた気がした。







 バアン!


「「ただいま!」」


「おかえり、大分遅かったね。どこ行ってたの?」


 帰った俺たちを出迎えたのは、置いてけぼりを食らった居候組だった。

 なんというか、いい笑顔だ。ただ、その中には黒いものが存在しているが。


「ちょっと頼まれ事を片付けてきただけ。守も同じよ。面倒ったらありゃしないわ。」


 面倒ってお前…めちゃくちゃ楽しんでたよな?

 と全く思わなかったわけではないが、それを必死に隠す。ギーナの機転である事くらいは分かっている。

 ギーナのこの演技力は、入れ替わりの時に磨かれたのだろう。最初の頃は見ていてヒヤヒヤするくらいぎこちなかったが、成長したものだ。


「そう、お疲れ様。」


「ちぇー、二人でどこかに出かけて楽しんでたと思ってたのに、つまんないの。」


 お前等…もしそうだと知っていたらなにをするつもりだったんだ?

 俺は一瞬の寒気を押し殺し、何も無かったかのように平然と自分の部屋へと向かった。






 翌日。

 今日は居候組は来ない…!こんなに楽しみな学校は無い…!!

 と思っていた昨日を思い出しながらも登校。あの後休日だって知ったんだよなー。

 だが、そのおかげで津瑠を救い、利区の魔の手から助けられた。もし過去に遡る事があっても、休日の事を教えることは無いだろう。

 それにしても…昨日とまったく同じ気配がするな。

 時折黒いものが混ざる事は無いのだが、尾行されると言うのはそれだけで気になる。

 昨日はする側だったのに、今日はされる側になるとは…世の中分からんものだ。

 ただ、尾行されていい気はしないと言うことを改めて思い知った。後で津瑠に謝っておこう。利区は知らん。


「よう!昨日はどうだったんだ?」


「昨日の話、聞かせてよね。私達結構気になってるのよ?」


 と考えていたら、突然いつもの四人が来た。


「さて、どこから話すかね…」


「…最初からに一票。」


「僕も。」


「俺も!」


「私も。」


「じゃあ話すぞ。俺は西暦1998年、12月28日に生まれ」

「確かに最初だけど!最初違いよ!そこまで遡らなくて良いから!昨日別れた後にして!!」


「はいはい、じゃあ話すぞ。あの後はな…」


 この後、昨日の出来事について、学校に着くまで根掘り葉掘り聞かれた。

 その間、俺をつけてくる気配は消えなかった。

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