第三十四話 何も見えない?もう一人いた親友!?
俺は動きまくってとっととここからおさらばすることを決めたあと、必死になって出口を探していた。
しかし、依然として出口は見つからない。真っ暗で懐中電灯も持たずに歩いているので、見逃したのかもしれないが。
「しかし、窓くらいあってもいいんじゃねーの?」
ここにはなぜか窓が無い。カーテンが閉まってるとか、そんなことでもない。一体ここはなんだったのだろうか。
その時、
「誰だ!」
という声がした。この声は…!
「その声はザ・普通と呼ばれるくらい普通な佐藤太郎だな!」
「うるさい!汎用高校生の高壁守!」
突然した声の主は、俺が異世界に行く前に遊んでいた、幼馴染(男)の佐藤太郎だった。
っていうか完全に忙しすぎて忘れてた…皆も忘れてたみたいだな。
「何故ここにいる!」
「この廃屋を見て、ロマンを感じたからだ!ホラゲー好きで何が悪い!そう言うお前は何故ここにいる!」
「俊太に連れてこられて皆とはぐれた!それだけだ!」
そう言うと、突然太郎の勢いが無くなった。
「…ドンマイ。この一週間どこにいた!」
と思ったら取り戻した。
「外国にいた!急に親戚がらみで連絡を取る暇も無く連れてかれた!」
「…そうだったのか。大変だったな。」
太郎の勢いが完全に消えた。
「とでも言うと思っていたのか!どうせ嘘だろ!」
なんて考えは打ち消された。
「本当は異世界に行ってたぜーーー!!」
もうめんどいので正直に言った。
「やっぱりかーーーー!!」
「なにいいいいい!!読まれてたあああああ!!??」
なんでばれてたの?
「おっと!言わなくとも分かる!何で知ってるか気になってんだよなーーーーー!!」
「そうだーーーーー!!…もう、このノリ止めよう…」
「そうだな…こっちはのど痛くなってきた…」
叫ぶだけのノリはやめだ。もう疲れた。
「で、何で知ってたんだ?」
「やっぱりかって言いたかっただけ~別に知っても無かったよ~ん」
「…」
「なに黙っちゃってんの~その話、詳しく聞かせろよ~ん、ププ~」
「その口調は止めてくれ。うざい。実は…」
俺は太郎と別れてから、今までの話をした。
「…へえ~そんなことが…大変だったんだな。」
「ああ。」
「で、何で俺は忘れられてるんだよ!」
「影が薄いから。まあ、隠密行動においては非常に役に立つじゃないか。」
「隠密行動取る機会なんてない人生だろうからそんな特性いらねえよ!あと…」
「あと?」
「今からでも良い。守の家のお泊まり会に入れてくれ。」
「俺は良いぞ。」
「あんがとよ。んで、皆はここにいるんだな?」
「ああ。探すのと出てくの、手伝ってくれるか?」
「当たり前だ。」
「ありがとよ。」
俺はこうして、太郎との再会を果たした。今まで忘れてたとかどんだけ影薄いんだよ…
佐藤太郎に関しては三話を見れば分かります。
間違えて二話って書いてました …ごめんなさい。
作者も忘れてた…訳ではない。きっと。たぶん。




