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第三百二十三話 真似するな?始めからボロだらけ!?

一話目。

寝不足と疲れで軽く意識を飛ばしながらの執筆。

いつにも増しておかしいところがあったらすいません。

 太郎から全てを聞いた後、太郎が縛った犯人をレッドサーカス団に引き渡した。

 サーカス団の取調べに対して犯人は大人しく白状したため、行方不明となっていたレイガーは無事に発見、保護された。

 動機は金儲け。誘拐したレイガーをどこかテキトーな金持ちに売るつもりだったらしい。

 レッドサーカス団は俺たちにお礼を言うと、次の公演場所に急ぐと言って出発した。

 随分と慌しいと思うが、どうやらこの騒ぎで予定から大分遅れてしまったらしい。

 で、犯人が捕まったという知らせが村中に広まったので俺たちの誤解は解けたのだが…


「コレもなかなかうまいな…」


「コレもなかなかいけるぞ。食ってみろ!」


「んぐあ!?」


 …ゴクン。


「いきなり口に突っ込むなよ俊太!危うく吐き出すところだっただろ!!」


「こういう場では無礼講だ。そんな事も知らないのか太郎?」


「その言葉の後半をそっくりそのままお前に返す!その使い方は色々と間違ってるぞ!!いいか!?無礼講っていうのはだな…」


 村の人々が俺たちにご馳走を振舞ってくれている。俗に言う宴会が始まってしまった。

 紛らわしいことをしたこちらも悪いと思っていたので、ぶっちゃけ居心地が悪い。というか、本当にいいのかあぁ!?


「守、ちったあ食えよ。まだ何も食ってないのはお前だけだぞ?」


 ため息をつくために少しだけ開いていた俺の口に、ルーが食べ物を突っ込む。

 …果物…肉…野菜…これはパンか?


「…だからと言って俊太の真似をするのはどうかと思うが?危うく吐き出すところだっただろ。」


「そういうお前も太郎の真似をするのはどうかと思うけどな。」


 ルーにこういった思惑があったのかどうか。

 俺には分からないが、この後の宴会は心置きなく楽しめた。






 宴会が終わると日は暮れていたので、現代に戻ることになった。

 現代に戻った俊太達は帰り、俺たちはそれぞれの部屋に戻って寝る…


「どこからその猫を拾ってきたんだい?」


 なんてことがあるわけが無く。当然レイの事を母さんに訊かれた。ちなみに五人は各々の家に帰っている。


「…異世界の森で。なんか懐かれた。」


「嘘おっしゃ…って、本当っぽいから困るね…」


「本当なんだよ…」


「家にペットを飼う余裕なんてあると思うの?」


「もうフォルフ居るじゃん。」


「確かにそう…って、なんでギーナが答えてるんだい?」


 あ、つい受け答えを…こういう時は俺の出番なんだが、今はギーナの体ってこと忘れてた。まずはそこから説明だな。


「ああ、実は」

「なんでもない!」


「ちょ、おま」

「ただ、拾ってきたのはギーナだから説明を任せたんだ!」


 俺がなにか言おうとする度に、ギーナは声を被せて妨害してくる。

 なんでそんなに必死なんだ?

 って、足踏むな。そして俺と皆を突然引き寄せるな。


「いい?絶対に入れ替わりの事は言わないでね?他の皆も!!」


 ギーナは小声で皆に言う。


「理由は後で言うから。ね?」


 顔が真剣すぎて怖い。

 そう思った俺は黙って首を縦に振る。他の皆もだった。

 それを見たギーナは皆を放し、元の配置に戻る。


「とにかく、このレイガーはここに置いていいでしょ?」


「…そこまで言うなら良いんだけど…なんでそんなに必死なんだい?というか、レイガーってなんだい?」


 ギーナが必死なのはさっきの説得の気迫が残っていたからだろう。さっさと引っ込めろよ。


「ああ、レイガーっていうのは…」


「…そこはギーナじゃないのかい?」


「え!?い、いいだろ別に…」


「良いけどもさ。なんか不自然と言うか…」


 早速勘付かれてんじゃねえか。どうすんのコレ。


「あ、ああ。俺は最近幻獣図鑑っていう本を読んでな。

 ギーナは読んでなかったらしいから、俺の方が詳しいんだよ。」


「ふ~ん…」


 言い訳としてはなんとか成り立つレベルだろう。とっさに出たものとしてはなかなかだと思うが。


「で、レイガーっていうのはな…」


 …ギーナの俺の真似はあまりうまいとは言えない。これで隠し通せるのか?

 そして、ギーナが入れ替わりを隠したい理由って何なんだ?

 俺はそれを考えながら、ギーナの説明を聞いていた。

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