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第三百十九話 信じてもらえない?キャビの異変!?

一話目。

昨日は寝オチしてしまい、執筆できませんでした。

なので今日は朝から執筆していたのですが、友達からのオンラインの誘い、そして親から頼まれた雪かきで遅れました。申し訳ありません。

そんな作者の朝食は、ポが最初につくスティック型のチョコ菓子だったとさ。

 俺たちが次に来た村は、くだんの魔物使いの村だった。

 やたらとキャビの肩の上に辺りの視線が集まっている。理由は言わずもがな先程名前が決まった幻獣様だ。

 そんな中でも、レイとキャビはそれを気にしていないかのようにしている。というか気にしていない。

 他の皆は気になって仕方ないという様子だというのに、豪気というか無頓着と言うか…

 いや、違う。気配で分かる。そう見えるのは外面だけで本当は…


「すまないが、そこのお嬢ちゃんに聞きたいことがある。」


 その時だった。こちらを見ていた背景の一人が前に出て話しかけてきたのは。


「な、なに?」


「そのレイガーは一体どこでパートナーにした?」


 レイガーをパートナーにしたい魔物使いだろうか。その背景Aはキャビに話しかけてくる。

 どうやらキャビを魔物使いだと思っているらしい。


「あの森の中だけど…」


「実は、一匹のレイガーがとある有名なサーカス団から逃げ出していてね。

 どうせそのレイガーはそのサーカスから盗んできたんだろう。そんな森の中に居るわけが無いじゃないか。」


「違う!本当だ!俺は森で見たぞ!レイガーの群れをな!!」


「群れか。嘘が下手だな君は。」


 信じてもらえないようだ。


「とにかく、俺たちはレイガーを盗んではいない。」


「その言葉を信じるものがどれくらい居るかな?」


 その言葉を聞いて周りを見てみる。

 その視線は珍しいものを見るものから、疑うようなものに変わっていた。


「そいつらを捕らえろ!」


「皆!逃げるぞ!!」


 その時のキャビの様子を見た俺は叫び、周りの奴らが近づいてくると同時に逃げ出した。







「…しまった。」


 俺は森の中に逃げ込んでから気付いた。逃げたらますます疑われると。

 あの時は必死だったので全くそんな事を考える余裕が無かったのだ。何故なら…


「キャビ、どうしたんだ?」


 あの時のキャビの様子がおかしかったのだ。まるで怯えているかのようだった。

 いや、あの時だけではない。その前から怯えた様子だったのだ。


「…何も無いよ。なんでもない。」


 震えながら言われても説得力が無い。どう見ても嘘だ。


「…良かったらで良い。なにがあったのかを話してくれないか?」


 必死に逃げている最中考えた事だが、過去にキャビは似たような状況になったことがあり、それがトラウマとなってしまったのだろう。

 話してくれれば何か力になれるかもしれない。そう思って言った。もちろんトラウマをえぐるかもしれない事は承知している。

 だが、俺は一人の友達の、仲間の力になりたい。わがままかもしれない。余計なお世話かもしれない。しかし、言わずにはいられなかった。


「………」


 キャビは目を瞑って考えている。


「…全部は無理。でも、少しなら話す。

 あの時私が見たのは大勢の珍しいものを見る視線、それに混じった敵意、幻視した縮こまった私自身の姿。それだけ。」


 お仕事モードに切り替えて話した内容は、さっきの状況に酷似していた。

 そこまで似ているならトラウマが蘇っても仕方の無い事だ。


「……そうか。ありがとな。それだけでも話してくれて。」


「そのくらいは話しておいて支障は無いからね。」


「そうか。」


 キャビにトラウマがあることが判明した。これからはそのトラウマに注意しなければなるまい。

 俺はキャビに感謝しつつもそこまで信頼されていると言う事を噛みしめながら、これからどうするかを考え始めた。

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