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第三百十七話 猫の正体とは?危険に晒されっぱなし!?

一話目。

テストが終わった!これで勝つる!!

…と思った矢先に難産。先が思いやられますね。(’・ω・`)

 …よって、精神体という概念は、


「ミャ~。」


「猫だ!さすが異世界、真っ赤な猫なんて初めて見たぞ!」


 言葉で説明する事が難しく、


「赤い猫!?まさか…」


 なおかつ理解が極めて困難で、


「間違いない!あれは幻獣レイガー!!」


 俺には理解しがたい、


「幻獣!?あの猫が!?」


 きわめて難解な…


「さっきからやかましいぞお前ら!こちとら必死に考え」

「ミャ~!」


「どわっ!?」


 精神体について考えていたら、突然何かが肩に乗ってきた。

 肩を見てみると、そこにはさっきの赤い猫がいた。


「レイガーが人に懐いた!?」


「ありえない…訳じゃないけど珍しい…」


「レイガーってなんだ?」


「知らないの!?幻獣レイガー!!」


 幻獣?そんなに珍しいのかコレ?


「捜したんだにゃ、だって。」


「コイツの言葉が分かるのか?」


 キャビが何かを真似たような口調で言った。

 この中に通訳が必要な奴は一匹しかいないので、この幻獣(?)だと言う事は明白だ。


「獣人は獣の言葉を理解できるの。それが幻獣でもね。」


 これに答えたのはギーナだ。


「へ~、じゃあ、フォルフの鳴き声とかも翻訳できるのか?」


「ん~、やった事無いから分からないな~。フォルフ、テレパシー使わないで何か言ってみて。」


『通じて獣と同じみたいになるのが嫌だから断る。』


「別に獣扱いされても…」


『じゃあお前らに訊こう。お前らは似たようなもんだからという理由で猿扱いされたら平気でいられるか?』


「…なるほど。分かりやすい例えだな。」


 猿扱いされて喜ぶ人間はいない…よな?

 とにかく、魔物を獣扱いするのはご法度だと言う事は分かった。これからは気をつけるか。


「しかし…幻獣って言われても、思いっきり群れてたんだが…群れてるなら割と見つかりやすいんじゃないのか?」


「群れまで見たの!?どんだけ運良いのよ!!」


 運が良いって…思いっきり襲われたんだが。威嚇もされたし。


「それは一昔前に広まった間違えた知識よ。

レイガーは大体群れで行動するわ。それこそ、そのレイガーみたいに単独で行動してるところなんてそうそう見られるものじゃないわ。」


「へー。」


 図らずも拾った猫が幻獣だったというハプニングがあったが、なんとか皆と合流できた。

 日も暮れてきたので俺たちは森を出て村に戻り、宿を取って一泊した。






 翌朝。俺たちは村を出て、次の村へと向かっていた。

 早くルドやルーを帰さなければならないし、トーナをこっちの世界の故郷まで送る必要があるのだ。

 だからいつまでも村に居座り続けるわけにも行かない。


「ん~…なかなか難しい…」


 ギーナは俺の能力の練習をしながら歩いている。時折障壁は出ているのだが、まだまだ自由自在には程遠いようだ。

 俺も能力に目覚めてからの三日間は苦労したものだ。能力を自由自在に操るようになるまではなかなか根気がいる。

 何度も失敗し、それでもトライし続ける。というのは口にするのは簡単でもなかなか難しい。

 俺も精神体の概念について考察して…いたのだが、もう少しで頭から煙が出そうだったので止めていた。難しすぎる。


「ミャ~。」


 こんな時でも幻獣様は呑気なものだ。俺の肩の上でごろごろいいながら俺の顔にスリスリと顔を押し付けてくる。かゆいのだろうか。


「あ!昨日もだったけど、肩に乗せるときは絶対に爪が食い込まないようにしてよね!死ぬよ!!」


「死ぬ?何を大袈裟な…」


「レイガーの爪には猛毒があるのよ!」


「なに!?それを早く言えよ!?」


 俺は驚き、肩の上の危険レイガーをどかそうとしかけて、なんとか直前で止まる。

 無理に引き剥がそうとすれば、落ちないようにするために更に爪が食い込むだろう。危ないところだった。

 …って、ということはこいつが自発的に降りようとするまで危険に晒されっぱなしなのか…気が重い。


「なに!?それなら早く引きはが」

「止めろ!俺を殺す気か!!」


 それを聞いた俊太がレイガーを引き剥がそうと向かってきたが、レイガーに手が届く前になんとか止めた。それに、


「最悪俊太が引っかかれて死んでいたかもしれない。なんと恐ろしい。」


「なんだって!?危ねえ!!」


 おっと、声に出てた。

 俊太は死に手を伸ばしかけて顔が青ざめている。もう少しで死ぬところだったのだ。無理も無い。


「フーーーー…」


 レイガーは軽く俊太に威嚇している。

 そう言えば、昨日レイガーが人に懐くのは珍しいって聞いたような…

 俺だけに懐いているから、急に近づいてきて引き剥がそうとした俊太を敵だと判断したのかもしれない。

 …姿が元に戻ったらギーナに懐くのだろうか。

 俺は突如辿り着いた考えに寂しさを感じながら、皆のペースに合わせて歩き続けた。

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