第三百十六話 危険は否定できない?妙に冴えてると思ったら!?
二話目。
一話分書きあがったので投稿。
サボっているのではなく、休憩していただけです。
異論は…認めるしか……ないのかッ…!
「なるほど、守さんですか。」
え?俺?それともギーナ?
「いや、どっちかというとルーマじゃないか?」
ルーマは偽名なんだが…あ、そう言うことか。
皆が言っているのは俺が女の時限定で使える能力。機能と性質を付ける能力だろう。
しかし、それには問題がある。
「ギーナ、障壁を出す能力を使えるか?」
「まだ使えないわ…」
性別を変えるレアモンドの結晶。
あれは障壁の中にあり、使うためには障壁を消して取り出す必要がある。
だが、今のギーナは障壁を創造する能力を使うことができないので、レアモンドの結晶は使えないのだ。
それができるようになったとしても、今度は機能と性質を付ける能力を使えるようにならなければならないのだ。
飲み込みの早いギーナなら普通よりは早く終わるかもしれないが、それでも時間は掛かるだろう。
とは言っても他に方法が無いのも事実。それしかないか…
「ギーナはなんとしてでも障壁を創造する能力を使えるようになってくれ。
その後は機能と性質を付ける能力だ。頼む。」
「それしかないみたいだし、分かったわ。」
「いや、守がギーナの能力を使って今すぐにでも戻ればいいんじゃねえか?」
……その発想は無かった。
ギーナの能力は魔法を使うだけで能力の恩恵が受けられるので、俺の能力のように特に意識して使う必要は無い。
そうと決まれば、早速イメージを…
「……無理だ。イメージできない。」
…できなかった。精神体云々が良く分からん…
「じゃあ、イメージしやすい状況にすれば?例えば、頭をぶつけるとか、階段から転げ落ちるとか…」
「危ない!危ないから!」
光の例えに驚く異世界人達。
確かに元ネタを知らなければ危ないと思うだろう。
「ああ、そうか。お前等は知らなかったんだな。
こっちの世界ではさっき光が言ったことがきっかけで入れ替わったっていうのが創作物の中では割と定番なんだ。」
「それで、テンプレにのっとればイメージしやすいと思ったの。」
「危ないのは否定できないけどね…」
光の言う通り、テンプレにのっかればイメージはしやすくなるだろう。
だが、その二つには大きな問題がある。
「悪くないアイディアなんだが…頭ぶつけたときにイメージが飛ばないか?階段にいたってはそんな余裕があるかどうか分からない。」
「ん~、良い線いってたと思ったんだけどな~。」
「じゃあよ、守の能力みたいに、物を通せばいいんじゃねえか?」
沈黙が流れる。
「最近俊太の様子がおかしいと思うのは私だけ?」
「奇遇だな。俺もだ。」
「最近は妙に冴えてるよね。」
俊太が出したと思えないクオリティのアイディアだが、使えそうなのでイメージしてみる。
「いや、それも駄目だ。」
「え?なんで?」
「考えて数秒で分かった。根本的な解決になってない。そもそもイメージできないから無理なんだって言ったんだ。」
「…チッ、もう少しで入れ替わりが出来る物が手に入ったのに…」
なるほど。それが目的か。ギーナが俺の能力をマスターして入れ替わり出来る物体が出来たら元に戻った直後に機能を消そう。
「俊太お前…たまには良いこと言ったと思ったらそれか…」
「やべっ!?口に出てたか!?」
「思いっきり出てたわ。」
「…俊太が良いアイディア出すのは悪巧みしている時くらい。」
全くだ。これだから俊太は…アイツらしいと言えばアイツらしいが。
とにかく、これで方針は決まった。
と言ってもほぼギーナ任せになってしまうが、一応俺も精神体の概念について考えてイメージが出来るようするか。
え~っと、精神体というのはそもそもなにか…




