表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
322/630

第三百八話 不毛で意味が無い?だから言っただろ!?

一話目。

『守、何故我等を使わなかった?』


 あれから苦戦は長くは続かず、主にタカミのおかげで魔物の大群は全滅した。どうやらあれがピークだったらしい。

 ちょっと前までは戦闘できないものは居なかったのだが、どうやらタムとトーナは戦えないらしい。でなければ戦闘している皆から離れてただ待っていた訳が無い。その上俺とギーナも戦えなかった。

 そのため、少し前までは全員で魔物と戦っていて、自分の身は自分で守るという方針が出来ていたのだが…今回はそれが出来なかった。

 庇う必要があるものが出来た、というのも苦戦を強いられた理由の一つでもあるだろう。

 考えるのはここまでにしよう。とりあえずデュアをなんとかごまかさないと…


「だから、具合が悪かったって言ったでしょ?」


『確かにそう言ってはいたが…顔色は普段と変わらんように見えるからな。』


「表に出してないだけよ。」


『……そうか。では、何故それをギーナが答える?我は守に聞いたのだが。』


 あ、しまった。つい答えてしまった…

 言い訳言い訳………


「さっきの転移の影響かどうかは知らないけど、さっきから守に言語障害が起きてて…」

「起きてないわよ!」


「おいバカ!」


「しまった!あ、これが言語障害って訳なんだ…」


『……なるほど。大分深刻なようだな。』


 ギーナがとっさについた嘘でなんとかごまかせたらしい。危なくなった原因もギーナにあるわけだが。

 いや待てよ?そもそも俺がギーナの代わりに答えたからこうなったわけで、元はと言えば俺が悪いのか?

 …止めよう。あまりにも不毛だ。意味が無い。


「実はさっきからこらえてはいるんだけど、私も言語障害が起きててね…とっさに言葉遣いがおかしくなるかもしれないけど、そうなっても気にしないで置いて。」


『分かった。』


 なんとかなったな…


「移図離の転移で喋り方がおかしくなるのか…良いことを聞いた。」


 俊太がなんか不吉な事を言った気がしたが、ボソリと小声で言っていたため聞こえなかった。






 村に着いたが、この村はどこかおかしい。

 何故そう思うのかというと、外に誰も歩いていないからだ。人の気配はしない。少なくとも外からは。

 あたりの家には今でも誰かが住んでいるのであろう。でなければ、窓から見える家の中がこんなに綺麗なわけが無い。誰かが掃除している証拠だ。

 それに…


「誰も居ないな…なんなんだこの村は?」


「いや、家の中にはしっかり居るぞ。ちゃんと気配がする。しかも俺たちを警戒してるらしい。」


「ん?ギーナは気配を察知できるのか?」


「…しかも喋り方がおかしい。」


 あ、今の俺はギーナだった。


「あっ…さっき言った言語障害みたいね。」


「それに、私はもともと気配察知くらい出来るわよ。魔物を狩るのに必要だし。」


「……守、なんでそんなことを知ってるんだ?しかも喋り方は言語障害だとしても」

「あ、ああ!この前聞いたからな!!」


「え、ええ。確かに言ったわ。」


「なるほど。」


 ギーナも嘘がうまいな。

 と関心している余裕を持ちたい。今のでものすごくヒヤヒヤして安堵で一杯だった。


「とりあえず、どっかの家に入れば人には会えるんだよな?」


「おい馬鹿やめ」

 ガチャ


 俊太はすぐそこにあった家のドアを開けてしまった。俺の制止の声は間に合わなかった。

 あの馬鹿、警戒されてるって言っただろうが…


 ドシュ!


「どあ!?」


 ドアから剣が突き出したが、紙一重で俊太には当たらなかった。あっぶね~…


「だから言っただろ…」


「言うのがおせえよ!危うく死ぬとこだったぞ!?」


「いや、そっちじゃなくて警戒されてるってさ。」


「こんな事になるなんて分かるか!」


「分かれよ!!」


 察しが悪い奴だ。その内マジで死にかねないな。早くなんとかしないと…


「お前等は何なんだ!奴らの一員か!?」


 剣が突き出してきたせいで穴が開いてしまったドアから、そんな声が聞こえてきた。

 …奴らとは何ぞや?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ