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第三百四話 空気が死んだのか?正当な評価!?

一話目。

昨日は改稿だけで終わってしまい、申し訳ありませんでした。

連日の寝不足が祟り、執筆が出来ずにそのまま寝てしまいました。そうです自爆です。

しかも十一時間ほど寝たにも拘らずまだ眠いという…

誰でもいいから作者の眠気をなんとかしてくれー!と叫びたい今日この頃。

 転移した先はこの前の育毛剤の村の近くのキャンプ地点。障壁小屋を創った場所だ。

 現代に帰ったときと変わらず、障壁小屋は今もあった。戻ってきたとき女だったから消せなかったんだが。


「さてと、久々の冒険ね…って、令音は?」


 ギーナに言われて周りを見渡すが、確かに令音がいない。

 最初から連れてきていないというわけではないし、皆と一緒に俺に捕まっていたはずだった。一体どこに…あ。


「まさか…すり抜けたから一緒に転移できなかったとかじゃないよな?」


 キョロキョロしていた皆の動きが止まり、音一つしない。空気が死んだというのはこういうことなのだろうか。


「……ここから一番近いところは?」


 気付かなかった事にする気なのか、突然話題を変えてきた。


「あっちの村だね。」


 慌てて地図を取り出して見たタカミが答える。

 基本荷物持ちはタカミだ。理由はアイテム収納欄があるからに他ならない。


「じゃあそっちね。早く行きま」

「ちょっと待て。」


「何?」


「障壁小屋に何かがいる。」


 障壁を消して歩き出そうとしている皆についていこうとしたのだが、障壁小屋の中から何者かの気配がした。

 男子用女子用の両方からだ。


「別にほっといても良いんじゃない?」


「明らかにこっちを警戒してるだろ。気配が。」


「……最近守が超人化してきてるような気がするんだが…」


「…同感。」


 父さんの特訓についていけたお前らのほうがよっぽど超人だよ。というツッコミを飲み込み、障壁小屋へと慎重に近づいていく。

 すると、


 バン!


 突然二つの扉が同時に開いた。

 中から出てきたのは……


「………誰だっけこいつら?」


 顔に見覚えがあるが、名前が思い出せない二人だ。

 片方は筋骨隆々なマッチョマン、もう片方は割りと顔は悪くないイケメン野郎。マジで誰だっけ?


「初対面だ!アンタみたいな美人さんとは知り合っても無い!」


「生憎だけど、君の事は知らない。何故なら、ボクにはギーナという心に決めた人がいるからさ!」


 初対面扱い返しだと!?なんて高いテクニックだ…

 だが、ウザイ方は思い出した。あのウザさはまさしく…まさしく…名前忘れた。

 って、ちょっと待て、今この筋肉、美人さんって言ったよな?

 俺を見て美人と言った→俺は女扱い→…なんで?

 …あ、どっかの女神のせいか。妖怪のせいだったら、その妖怪をボコボコにした挙句に永久に障壁の中に閉じ込めてやるのに…


『発想が恐ろしすぎます!仮にそうだったとしても絶対に実行しないでください!!』


 あ、聞かれてたか。まあ本当にそうだったとしても実行する気ゼロだったから安心してくれ。


『なら良いんですが…』


「ゲッ…まさかついてきてたの?」


 幻聴テレパシーと交信していると、ギーナがやたらと嫌そうな顔をしながらイケメン野郎の方に訊いていた。


「君が旅に出たと聞いたからね…だったら、このボクがついていかない訳が無いじゃないか!」


 最早ストーカーだろコイツ。おまわりさんこっちです。

 そう言えば、この世界におまわりさんっているのか?いたら来てくれ。全速力で。


「ねえ守、そこの残念すぎるイケメンは?」


 光が小声で訊いてくる。振り返って見ると、他の皆も訊きたそうな顔をしている。


「名前は思い出せないんだが…ただ、見ての通りギーナラブで、とんでもない勘違いウザヤローだ。」


「酷い言いよ」

「ついて来ないで!」


「ハッハッハ!照れなくても良いんだよ!!」


「……正当な評価だね。」


「どこをどう見ても拒絶されてるのに、それに全く気付いてないな…なんて奴だ。」


「現実にあんな奴が居るとは…世界は広いな…」


 火太郎の弁護は、本人の行動によって撤回された。


「ギーナ、ブッ飛ばしちまえ。」


「言われなくても!」


 ビュオオオオオオオ!!


 とんでもない風が、イケメン野郎に襲い掛かる。勝ったな。


「おっと!今回のボクは一味違うよ!」


 だが、イケメン野郎はヒョイと風を避ける。なんか避けてる時の余裕みたいな表情がムカついた。


「避けた!?いつもならそこで吹き飛んで退場してるのに…」


「いつものパターンは効かないよ!何故ならボクはギーナの事なんて全て知っているからね!!」


「!?」


 ギーナがドン引きして震えた。恐らく本人の中ではゾゾゾゾゾッ!!という効果音が鳴っていただろう。

 かわいそうに…と思っていたらギーナが急にこちら向かって走り出した。

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