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第三百二話 なんとも言えねえ?何故知ってる!?

二話目。

まだ眠い 夜更かししすぎ どうしよう

何故か五七五。

 生徒会長の説教のせいで午後の授業にも出られなかった。つまり、今日は一日授業を休んだ事になるな。

 何故こんなに長引いたのかと言うと、今日のことだけでなく、普段の俊太関連の騒動の事を含めての説教だったからだ。少し愚痴も混ざっていた気がするが…

 しかも生徒会長はチャイムの音に全く気付いておらず、教えようとしても


「貴方は黙ってください!」


 の一点張りだった。ちょっとは聞いてくれたって良いじゃないか。

 で、説教が終わってようやく生徒会長が今は放課後であるという事に気付いたんだが…


「なんで教えてくれなかったんですか!?」


 理不尽だ。何度も言おうとしたのに聞いてくれなかった結果がこれだよ。


「言おうとはしたさ、でも、その度に黙れって言っただろ。」


「ああ…あれに周期性があったのはチャイムが鳴る時間だったから…なるほど。」


 周期性云々に気付いてたんならチャイムの事にも気付けよ!!

 あ~、腹減った…昼飯食う前に連行されたからな。説教中何度腹が鳴った事か…


「まあ、なんというか悪かったですね。授業を休ませてしまって。」


 あれ?割と良い奴?堅物だと思ってたが、根は良い奴っぽいな。真面目だし。


「悪いのはそっちですが。」


 ……ちゃんと自分の非を認めた上で言われたからなんとも言えねえ…

 前言撤回なんてしたら俺が悪者になるだろうが。多分。


「とりあえず、もう帰りましょう。どうせ用事は無いんでしょう?」


「そうだな。じゃあな。」


 言い方に棘がある気がするが、気にしないで帰ることにした。

 帰ったらカップ麺でも食うかな。







「何をしている!?」


 あの後すぐ帰路に着き、帰って来る途中で買ってきたきつねうどんのカップ麺にお湯を注いでいるところをフラルに見られた。厄介なことになりそうだ。嫌な予感しかしない。


「カップ麺と言ってな。現代科学のすばらしー産物だ。」


「なぬ!?そのカップ麺とやらを見せてみろ!!」


 フラルが興味深々にカップ麺を見る。

 カップ麺の解説をしつつ、また口調が変わったなーとか考えていると、スマホが五分を知らせるアラームが鳴った。タイマーの機能を使っていたのだ。


「よし、食えるな。いただきま…見るな、食いづらい。」


「その説明を聞いてそれを欲しない奴があるか!私も食す!!」


「それは分かるが、そろそろ夕食だぞ?夕食が食えなかったらどうするんだ?」


 あと三時間ほどで夕食だ…って、結構あるんだな。テキトーに言ってみたが。


「それを言うなら貴殿はどうなる!?」


「俺は昼飯が食えなかったからな。腹が減って仕方ないんだ。」


 ズズ~、と麺をすすりながら答える。うまい。やっぱりカップ麺はきつねうどんだ。


「じゃあせめて目の前で食すのは止めて下さらぬか?」


「何を言うか。お前が勝手にそこにいるだけだろ。ズズ~」


「ぬおぉ~!」


 フラルが呻く。そんなに見たくないんだったらどっか行けばいいのに…


「守、そろそろ勘弁してやったほうがいいんじゃないか?」


 と考えていたらタムが来た。

 勘弁するもなにも、勝手にフラルが見てくるだけなんだが。俺はカップ麺を食ってるだけだ。


「こうしてカップ麺を食うところを見てるだけでも、大分辛いものがあるぞ?」


「……俺、タムにカップ麺の説明したっけ?」


「あ、ああ。ちょっとこの前にな…」


 タムにカップ麺の話題はしたことが無い。フラルにしていた話を聞いていただけかもしれないが、今の反応は気になる。

 そう言えば”異世界ドタバタ騒動記”の俺のそっくりさんが居た世界の設定は、現代にそっくりだった。というか、現代そのものだった。

 まるで現代を知っていて、それを書いていたように。

 これは偶然なのか?それとも…


「とにかく、フラルにも少しよそってやったらどうだ?ついでに僕も。」


「お前もかい!まあいいけどさ!」


 と言いながら、お椀を二枚出して少しだけうどんをよそう。

 タムに関する疑問は、いつの間にか消えていた。

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