第三百一話 今ので何回目だ?俺はサボり魔じゃない!?
一話目。
二、三時間寝たから大丈夫だと思ってゲームしてたらこんな時間に。
今日は一日中寝るかな…
あ、感想ありがとうございます!
作者は感想を貰うと元気が出てくるので是非感想を下さい!(露骨な催促)
「ちょっと待…声が戻った?」
友原はやっと自分が元に戻った事に気付いたらしい。戻るのは一瞬だったからな。
「どうやったんだ!?」
「これがハンドパワーです。」
「ハンドパワーどころじゃないよ!?」
まあ、手の力だけでこんな事ができるわけ無いしな。
「じゃあマジックで。」
「じゃあってなに!?そしてマジックの領域を跳び越してるって!!」
だろうな。
「細かい事は気にするな。」
「細かくないだろ!」
「何でもいいじゃないか。元に戻れたんだし。」
「確かにそうだけどさぁ!」
「とにかく、今日はどうするんだ?帰るのか?」
「あ、そう言えばそうだった。」
うまく話題を変えられたな。早く変えないと延々とこのノリが続きそうだったからよかった。
「どうせ今日の授業の準備なんてしてないだろ?」
「家に帰れなかったからね…家族すら信じてくれなかったせいで。」
家族にすらか…それはキツイな。
「まあ、男と女で全く違う顔だからな。」
実際、友原の顔は男の時と女の時で全く顔立ちが違い、俺でも驚いて固まるくらいだった。
不本意ながら性転換を繰り返している俺ですらそれなのに、他のやつらが分かるわけが無い。
「そうなんだよ!それでさ…」
友原は性転換した三日間のことを話し始めた。
「……でさ、それで…」
キーンコーンカーンコーン
「……なあ、今ので何回目のチャイムだ?」
「………三回くらい?」
「違う!今の七回目だ!もう昼休みになっちまったよ!!」
「え!?」
友原の話はかな~り長かった。起きた事がありえなさ過ぎて誰にも信じてもらえず、誰にも話を聞いてもらえなかったせいで話が募ったせいだろう。
苦労した事は分かったんだが…そのせいで午前の授業を全てサボってしまった。その間誰も図書館に来なかったのは僥倖としか言いようが無い。
話が募りに募った結果がこれだよ。話は定期的にしよう。
ちなみにチャイムの内訳だが、ホームルーム終了で一回、一~三校時の授業の開始と終わりで六回である。
まあ、友原の気持ちは分からないでもない。だがいくらなんでも三時間ぶっ通しで喋れるってどういうことだ?コイツこんなにおしゃべりだったっけ?
「悪い、そこまで話が長くなるとは…」
本人も想定外だった!?
「とにかく、お前は帰るなり授業受けるなりどっちかちゃんと決めろよ。俺は飯食いに行く。」
「ちょっと待った!一つだけ言いたいことがある!」
「なんだ?」
「ありがとう!」
「……ああ、じゃあな。」
それだけならもっと早くさらっと言えばいいのに…
と思いつつ、図書館を後に…
「さっきの人…友原、だっけ?大変だったね。」
「そうね。あの話からするに、相当な苦労をしたと思う。」
…あいつらも聞いてたのか。
俺はその声をスルーし、図書館を出て教室に戻った。
「遅いぞ!というか、いつまで話してたんだこのサボり魔!」
「そうよ!手紙を渡すだけでどんだけかかってんの!?」
教室に戻ると同時に、俊太と光から集中砲火を受ける。
「ちょっと色々あってな…」
「…色々ありすぎ。」
「何があったら三時間も授業を休む事になるんだ…」
「……行方不明の友人Yの捜索…」
「何か言った?」
「いや、何も。」
ボソッとあながち嘘ではないことを言ったが、聞こえてなかったようだ。
もっとも、聞こえないように言ったし、聞こえていればそれはそれで事情を説明していたが。
要するに聞こえても聞こえなくても良かった。
「まあ、飯くらい食わせてくれ。あと、俺はサボり魔じゃない。サボったのは午前だけで」
「何をしているんですか!?」
突然生徒会長が廊下からきた。
……ひょっとして地獄耳かなにかで?
「話は全て聞きました!言い逃れは出来ませんよ!!」
どうせ全部聞いたんだから友原の話も図書館で聞いてればよかったのに。
と思っていたらいつの間にか生徒会長に引きずられている事に気付き、慌てて抵抗するも虚しく連れて行かれてしまった。
……友原のバカヤロー。
追記 ×二日間
○三日間




