第二百九十八話 いつもヒヤヒヤ?もう手遅れだから無理!?
二話目。
今日は早めの投稿。またあんなに遅らせたくはないですからね…
『よぉー、おかえりぃー。』
居候組のせいで散々疲れた俺は、帰ってすぐに部屋に向かう。
その壁に立てかけている剣のルソードは俺を出迎えてくれた。
ぶっちゃけ、見つかったらまずいんじゃね?といつもヒヤヒヤしている。
デュアみたいに人の姿になってくれればな…って、もしかしたら出来んじゃね?
「なあ、今思ったんだが…ルソードは人の姿にはなれないのか?」
『……それを訊いてどうするぅー?』
「現代では剣を無許可で所持するのは駄目なんだ。だから、なれるならなって欲しいなと。」
『むぅー…俺には出来ないからなぁー…』
「そうか…デュアが出来るから、てっきりお前も出来るのかと思ったんだが…」
人の姿になったルソードなんて見た事が無い。だから今日学校までつけられた時もルソードは居なかったのか。
『何を言ってるんだ?貴様も出来るだろう。』
突然会話に割り込んできたのはデュアだ。
え?やっぱりルソードも出来るのか?
『ばらすなああああああああ!!』
『あの姿になるのが嫌だということは分かっているが、それでは守を刑務所暮らしにさせかねんぞ?
主にそんな迷惑を掛けていいと思っているのか?それにだ、我と同じ体の構造をしているが故に、お前にはそろそろ食事が必要なはずだ。』
『ぬぅ…』
ルソードもデュアと同じで、食事でメンテナンスが出来るって言う不思議性質を持ってたのか。
しかし、あの姿になるのが嫌だ?なんかものすごく引っかかるな。
『さあ、観念してあの姿になれ。お前もいずれ慣れてくるはずだ。我のようにな…』
『そう言えば、お前も昔はその姿を嫌がっていたなぁー…まあ、主の事情なら仕方ない。』
というと同時に、ルソードはデュアが人の姿になる時と同じように光を放つ。
どうでもいいが、そのときの光はデュアが緑、ルソードは青なんだな。
と、考えている内に光が収まり、そこに立っていたのは…一人の子供だった。
見た目の年齢は人になったデュアと同じくらいで、髪、目はサファイアのような青。
少年のような可愛らしさがあり、女性陣が見たら歓声を上げるだろう。
あの特徴的な口調からは全く想像できない姿だ。むしろ、なんであの口調になってしまったのだろうか。
『でぇー?これで暮らせば良いのかぁー?』
「ああ、剣の姿よりも、そっちのほうが助かる。」
これで、”男子高校生が刀剣を所持!”なんて見出しのニュースを見ずに済みそうだ。そんな事になったらマジで洒落にならない。
「守~?聞き慣れない声が…誰その子!?可愛い!」
ルソードのテレパシーを聞きつけたと思われるギーナが部屋に侵入してきた。
「なあデュア、テレパシーって、指定した相手だけに届くんじゃないのか?」
『テレパシーは指定した相手に届けるのではなく、テレパシーを拡散して届いた相手だけに聞こえるようになっているんだ。要は普通の声と一緒だな。
まあ、指定した相手だけにと言う事もできるらしいが…それは面倒くさいからな。』
「良く分からんが分かった気がする。」
『どっちだ…』
「皆ー!守の部屋に可愛い男の子がー!!」
『おいぃー!止めろぉー!それ以上呼ぶなあああああああ!!』
『ちなみに、このようにテレパシーに使う魔力が大きくなれば大きくなるほど、テレパシーによって聞こえる声も大きくなる。』
「へー。」
『お前らぁー!呑気に見てないで助けてくれよぉ!!』
「『もう手遅れだから無理だ。』」
『ぶるあああああああああああああああああああああああああ!!!』
どっかで聞いたような気がする叫び声が、居候組と母さんが来るまで俺の家に響いた。
うるせえ……
追記 軽く誤字を修正。




