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第二百九十七話 サボる訳にはいかない?なんともあっさり!?

一話目。

遅くなってしまったのはどう考えてもオンラインゲームに誘った友人が悪い。

 学校はサボりたくないが、トーナを送りたい。二日も学校をサボってなんだが。

 トーナにはしばらく現代を満喫してもらって、土曜まで待ってもらうしかないか…

 だが、それまで今日を含めてあと丸々三日。少しばかり長い気がする。

 と、考えても仕方ない気がしないでもないことを登校中に考えてみる。


「よう!二日も見なかったが大丈夫か?」


「何か久しぶりだな、皆。」


 声がした方向を見ると、あの四人がいた。二日も見ないと大分久しぶりに思える。


「昨日も一昨日も家に行ったのに居ないとはどういう了見だ!説明しろ!!」


 あの二日間来てたのか。


「ギーナ達に聞いてなかったのか?」


「異世界に連行された事は知ってるけど、具体的に何があったかまでは知らないんだよ。」


「そうか。あいつらは話さなかったのか。じゃあ太郎も居る時に話す。」


「分かった。」


 その時、生徒に挨拶をする校長先生の姿が見えた。もう学校に着いたらしい。


「おはようございます。」


「おはよう…そこの子達は君達の知り合いかい?」


「へ?」


 指を指した校長の質問に疑問視を浮かべつつ、その指の方向を見る。

 そこには…


「そうです。私達はそこの五人の知り合いです。」


 俺の家に居るはずの居候組が全員居た。もちろんと言うべきか、トーナも居る。


「またついて来たのかよ!」


「いいじゃない別に。」


「よかないわ!もしお前らの正体が」

「部外者の前でそれを言わない方がいいと思うけど?」


「グッ……た、確かにそうだが、なんでわざわざ俺についてきた?ただ単に外に出るだけならその必要も無いだろうに。」


「守の学校に入るためよ。」


「何でだ!?」


「興味があるから。それ以上の理由がいる?」


「理由としては微妙すぎるわ!」


「でも、それはそこの人に訊けば良いんじゃない?

 守の母上がネットを見せてくれたから分かるわ。生徒に挨拶してるその人が校長先生だって。百八意味不一覧に載ってたもの。」


 母さん!なんて余計なことを!!


「で、ここの責任者が許可するなら、私達はこの学校に入っても良いわよね?」


「……まあ、校長先生が許可するならいいだろうが…そう簡単に許可なんて貰える訳が」

「いいですよ。」


 ………


「あっさり許可されたあああああ!!??」


「えええええ!?」


「確かにこの高校色々とゆるいところがあるとは思ってたけどそこまでだったの!?」


「本校に興味があると言うなら、他校生だろうが入れると言う事にはやぶさかではありません。

 ただ、貴方方は自分の高校に行かなくても良いんですか?不正に休んでいるなら」

「今日は休みなんですよ。」


「…そうですか。ならいいでしょう。思う存分に見て行って下さい!」


「はい!」


 こうして、今日一日ギーナ達は南凧野高校を見て回ることが決定した。

 ……もうついて行けねー。







「……疲れた…」


「面白かった!」


 今日一日は酷く疲れた。原因は居候共こいつら

 授業中はドアに張り付いてじ~っと見てくるわ休み時間には質問攻めになってるな~とか思って四人と一緒に遠くから眺めてたらこっちに話し振ってくるわそのせいでクラスメイトから色々問い詰められるわ…もう色々と酷かった。

 あの俊太ですらげんなりしていたと言えば分かるだろう。

 特に酷かったのはあいつ等が俺の家に居候している事をばらした時だ。

 あのときはもう死ぬかと思った。主に男性陣の視線で。前も言ったが、居候組の顔面偏差値は高いからな。

 そのせいで嫉妬の視線が地獄のように思えた。あいつらあんな目が出来たんだな…

 だが、人の噂も七十五日と言う言葉がある。あいつらが来るのは今日だけだろうから、しばらくすればこのほとぼりも冷めて…


「あ、そうそう、私達、また明日も学校に行く事になったから。既に校長から許可を貰ってるわ。」


「………今なんと仰いました?」


「明日もアンタの学校に行くから。校長にも言ってるから確定事項よ。」


 …………ああ…神様は俺に死ねと言っているのか…

 俺は赤くなっていく空を遠い目で見ながら、いるかもわからない神様に問いかけた。


『そんなこと言ってないですよ?』


 お前には言ってねえ!

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