第二百九十六話 決闘の結果?ぶっちゃけ恐い!?
二話目。
キーボードを見ずに書こうとしたら滅茶苦茶間違えました。
まだ作者はその域に達していないようです。
ギーナもそろそろ決着を付けたいらしい。
俺は地面を蹴って、右手の棒を地面すれすれから掬い上げる様に振る。
「そんなみえみえの攻撃、誰でも避けられ…!」
当然、この一撃は避けられる。
特にスキルとかではないため、システムアシスト的な何かで強化されているわけではない。なので、パッと見はただの分かりやすい攻撃だ。
だが、俺は”攻撃”と言った。一撃だなんて言ってない。
右手の棒を振った勢いを殺さず、そのまま反時計回りに回転して左手の棒を横から振る。
だが、それもギーナが棒で受け止める。しかし、俺の攻撃はまだ終わっていない。
右手の棒をその勢いのままに、左手の棒とほぼ同じ軌道で振る。
左手の棒を抑えるので精一杯だったギーナは、更なる衝撃が加わったせいで持っていた棒を弾かれる。
俺はその隙にまだ振り切っていない右手の棒の勢いを殺し、ギーナの肩に軽く当てて決着をつける。
「……私の負けね。」
一応動けなくなっても喋れるようにはしていたので、ギーナは自身の敗北を宣言した。
俺は疲れがドッと沸いてきて、その場に倒れこんだ。
「勝者!高壁守!」
向こうの俺の大きな宣言が、俺には遠い場所での出来事に思えた。
疲れと痛みでそれどころではなくなりかけていたからだ。
残念そうに俺を見る皆を少し見ると、俺は目を瞑り、そのまま眠ってしまった。
目が覚めると、そこはトーナの家のようだった。あの後運ばれたらしい。
「やっと起きましたか?」
トーナの声が聞こえてきた。
「ああ…どのくらい寝てたんだ?」
「二、三時間くらいですね。もう外は暗くなり始めてきました。」
「そうか…」
もう夕方か。そんなに寝てたんだな。
「それで…元の世界に帰るんですか?」
「まあな。」
トーナにはギーナとの決闘の前に、事情を説明した時、トーナも聞いていた。
なので、賭けの内容も知っている。当然、俺がこの後帰ることも。
「…私も連れて行ってもらっていいですか?」
「え?」
「向こうの私はこの世界に留まるつもりらしいです。向こうの私は向こうの守さんに頼んで移動して、旅に出るという書置きを既に残していたみたいです。
でも、私の両親は私に対して過保護で…私が居なくなった時の二人が心配なんです。だから…一度会って事情を説明してあげたいんです。向こうの私に代わって。」
トーナは、本当に自分の両親が心配なのだろう。両親の話に入ったとき、表情が一気に曇った。
俺の答えは決まっている。
「……分かった。何としてでもトーナを無事に向こうのトーナの家まで送り届ける。」
トーナのその気持ちを無駄にするようなことはしたくない。
「ありがとうございます!」
トーナの礼を耳に入れつつ、俺はトーナに言い聞かせた自身の決意を更に固めた。
「じゃあな。またいつか会おうぜ。」
「ありがとうございます。」
「そうだな、またな!」
向こうの俺に現代まで送ってもらい、帰宅する。ついでにトーナも。
ナイフの鞘はギーナが持ってるからな…返してもらえば良かった。
向こうの俺が戻っていくのを見届け、部屋に戻ると、
「……そんな物騒なものを持って何をする気だ?ギーナ。」
ナイフを持ったギーナがいた。ぶっちゃけ恐い。
「忘れ物を届けに来ただけなんだけど…」
そう言えば、向こうのギーナにナイフ本体と鞘を持ってかれたままだったな。って、あれ向こうのギーナか。
「ああ、悪い悪い。だが、そんなもん持ってたらこええよ…」
「そんなもんを置いていく方が悪いんじゃない?はい。」
いや、取ったのお前だし。とは口に出さずにナイフを受け取る。鞘は俺が落としただけだし。
「わざわざ届けに来てくれてありがとな。またいつか会おうぜ。」
「ええ…やっぱり、この世界でも守は守ね…」
最後の方は声が小さかったため聞こえなかった。
…俺、いつの間に難聴スキルなんて上がったんだ?そんなもんいらんわ。
これじゃあ向こうの俺のことを言えたもんじゃないな。ハァ…
「じゃあ、私は帰るわ。またね。」
そう言ってギーナは向こうの世界に帰る。
またね、か…実際、これから会うことはあるのだろうか。分からないが、一人の友人としてまた会いたいかもな…
「何しんきくさい顔してるの、シャキッとしなさい。会いたければ会いに行けばいいでしょ。」
突然後ろからギーナの声がした。
一瞬驚いたのは秘密だ。行ったばっかりでもう戻ってきたのかと思った。
会いたければ会いに行けばいい、か…確かに、待つ必要は無いな。永久に会えない訳でもないので、会いたくなったらこちらから会いに行けばいいのだから。
俺はギーナの言葉を心の中で反芻し、いつかあいつらにまた会いに行く事を心に決めた。
おまけ
反芻
今回の話の執筆中…
「確か、何度も繰り返して言う事をはんばく…とか言ってた気がするな…ん?こんな漢字だったっけか…辞書で調べよう。」
反駁
他人の意見や攻撃に対して逆に言い返すこと(一部表現を変えています)
by辞書
「あ、あっぶねー、間違えて使うところだった…」
完
では何と間違えたんだ?と思い、調べたら反芻でした。
つくづく無知な作者ですね…
追記 前話同様改定。




