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第二百七十二話 砕け散った希望?燃え尽きた心!?

一話目。

昨日はなんとなくwordで短編を想定した小説を書いてみましたが、気が付けば3600字になっており、しかもまだ書きあがっていないという結果に。

本当にノリって怖いな…あ、それを投稿するかどうかは分かりませんよ?途中で挫折するかもしれないですし。

 

「前に図書館で出会ったときから好きでした!付き合ってください!!」


 俺の微弱な希望は、この一言を持って儚く砕け散った。

 先の一言は、学校の図書館に着くなり友原から放たれた一言だ。


「実は、貴女との出会いに運命を感じていました。それもずっと。ここ数日は食事ものどを通りません…」


 …こいつの口からこんなに甘ったるい台詞が出てくるとは…恋愛って怖い。

 なんかここまで言われると断りづらいな。友達が必死になっているのだ。それが例え俺への告白であろうと、本人が頑張っている事には変わりないのだから。


「だから」

「ごめんなさい。」


 俺は一人の友人の告白を、誠意を精一杯込めた一言で一刀両断する。

 申し訳無い気持ちが無いわけじゃない。だが、間違ってもその言葉に了承の返事を出してしまえば、最終的には誰も幸せになれない。

 だから、俺は一時の辛さを堪え、それ以降の幸せを取る。


「私は、誰とも付き合えません。何故なら、もうすぐ私はこの学校を去ることになるからです。」


「え…?」


 友原は俺の言葉に戸惑う。だが、戸惑ったのは何故ならの後からだ。断られる事はなんとなく分かっていたのかもしれない。

 しかし、さすがにこの学校を去ると言うのは予想外だったようだ。そりゃそうだ。来て間もない転校生がまたすぐに転校するなんて考えられないだろう。


「この事は…内緒にしても、言いふらしても構いません。どうせすぐに分かる事ですから。では、私はこれで。」


 俺は呆然としている友原を置いて、教室へと戻った。






 その後の昼休みは何事も無く過ぎていった。

 四人に呼び出しのことを追及されたり、


「ルーマさん、もっと素で皆と話してもいいんだよ?」


「素?素って何ですか?」


「皆と話すときは丁寧語で、俊太達と話すときは男口調じゃない?」


「……」


「皆と話すときも男口調でいいのよ?」


「わ、私は両親に、皆の前ではこの口調にするように言われてますから。そうしたら私が怒られちゃいます。」


「そう?ならいいけど…」


 こんなひやひやさせられるクラスメイトのとある女子との会話があったりもしたが。

 まあ、それはともかく、授業中、友原の様子を見てみたら、どうも上の空のようだった。玉砕された上に近いうちにまた転校する何て言われたらそうなるのも無理は無い。

 罪悪感が無いと言えば嘘になるが、さっきのことを後悔する気は無い。

 男と付き合うような趣味は持ち合わせてないし、友原に言ったこともあながち嘘ではないからな。

 高壁ルーマは明日でこの学校から消える。

 何故なら、俺は今日中に例の本を三冊読み終え、男に戻るからだ。

 今、俺は家に帰っていて、目の前にはまだ読破していない、三冊の例の本が。

 考え事をして現実逃避していたが、いつまでもそんな事をしていたら読む時間が無くなり、また明日も高壁ルーマを演じなければならなくなる。それは勘弁だ。

 なので、俺は腹をくくって今日一冊目の本を開く。そして俺は、羞恥地獄に身を投じたのであった。







「……」


 本を読み終え、俺の心は燃え尽き、真っ白になっていた。

 根性で次々と来る羞恥を耐え、ついに三冊分読みきったのだ。

 俺はふと鏡を見た。すると、髪の毛の色が銀色から黒に染まっていく様子が見られた。

 髪の毛の先から、塗りつぶされたように黒が広がっていく。そして、俺の髪は完全に黒くなった。


「やったぜ…俺はとうとうこの苦労から開放されるんだ…」


 喜びが溢れてくる。心が燃え尽きてしまった今の俺には遠いどこかの出来事のように思えるが。

 早く戻る。その一心で、あらかじめタカミに貰っていたレアモンドの結晶が入っている障壁を手に取り、障壁を解除しようとする…が、出来なかった。

 そりゃそうだ。今の俺には”障壁を想像する能力”は無い。あるのは”性質と機能をつける能力”だ。

 俺は手に取った障壁に、”触れたら性別が変わる機能”を付け、その障壁を触る。

 すると、俺の体は光り、すぐに収まる。

 これで俺は男に戻った…と、また嬉しさがこみ上げてくる。これもどこか遠くのものに思えるが。

 だが、部屋の鏡を見た俺は、全てが遠い場所の出来事だという感覚が無くなるほどの驚愕に見舞われた。

 何故ならその鏡に映っていたのは…


「なんで…なんで戻ってないんだ…?」


 女の時と全く変わらない、俺の顔が映っていたからだ。

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