第二百四十七話 気が滅入る?慌しすぎた朝!?
一話目。
作者が早くも現実逃避を始めました。
一時間弱の勉強であんなに集中力がゴッソリ削れるのか…
南凧野高校。
俺と火太郎、俊太、光、移図離が通っている高校の名前だ。
名前のごとく、というのだろうか、この高校は色々とおかしく、思わず「何だこの高校!?」と言ってしまうような事が多い。
例えば、各学年の一組は男子だけ、二組は女子だけとなっている。三組以降は男女混合だが。
例えば、終業式が毎回土曜日にある。先生曰くその分一日だけ長期休みを増やしているらしいが、そんな実感はわかないし、ただの嫌がらせだとすら思えてしまう。
こんな感じで南凧野高校には意味不明な事が多数あり、皆はよく耳にする”七不思議”をもじって、”百八意味不”と言っている。
なんで煩悩の数なんだよ。除夜の鐘じゃあるまいし。
しかし、俺は何故いきなりそんな事を考え出したのか。それは今、絶賛登校中だからだ。
さて、一通り現実逃避したところで、また現実逃避と行きますか。
そうでないと…
「あの子、誰だ?」
「制服を見るに、南凧野高校だと思うが…」
「あんな美人いたか!?いたとしたら何で気付かなかったんだ俺!!」
「そう言えば、この前街中で歩いてるのを見たような…」
「青い髪の子は覚えているが…あの子も可愛かったな…」
気が滅入る。周りの生徒がこっちを見てヒソヒソと何かを言い合っているため、一緒にいる四人(太郎以外の)も気が気でならない様子だ。
俺は慌しかった今朝の事を思い出す。それで周囲の事が少しでも頭から離れてくれると信じて…
今朝、俺はいつもより早めに寝て、皆がまだ寝静まっている時間帯に起き、元の体に戻るべく寺へと走った。
朝早くから掃除している坊さんから術をかけてもらって、家に帰る。
家に帰るなり俺は読書感想文を仕上げた。読書は三分の二くらいまでしかしていなかったが、その時点の分で何とか書き終えた。
と、ここまででもうエネルギーをほぼ使い果たした。全ての行動に身体強化系統の魔法を使い、効率を高めた上で全力を出したのだ。もう今日は休みたい。
が、
「守、それが許されると思うのか?」
と、朝飯の時に父さんが言ってきたため、学校に行く事が決定した。どうせこの状態で誰も俺だって信じてくれないんだから休ませてくれ、と言ったら。
「気合で信じ込ませろ。それこそ洗脳する勢いでな。」
と返された。なんて奴だ…と思ったのは俺だけではないだろう。その場にいた異世界の住人はそんな感じの顔だった。
「まあ、妥協点としては欠席扱いにならなければなんでもいいぞ。俺もそこまで鬼じゃない。」
正体をばらす以外には無理じゃないですかーやだーなんて言っても父さんの意思が変わることは無いだろう。
その為、仕方なく俺は準備を始め、着替えようとしたんだが…
「守、何のために光から制服を借りたと思ってるんだい?これを着て来な。」
と、突然母さんが部屋に入ってきて、光の制服を置いていき、俺の制服を持っていった。
その後はというと、
「お~、結構似合ってるわね~。貸したかいがあったわ~。」
「なかなか似合ってるじゃないか。」
「悪くないな。」
「…お似合い。」
「そんなに恥ずかしがる事は無いよ。」
と、俺の家に上がりこんできた五人に言われ、(この後、太郎は別の学校だったために別れた。まさか俺を見るためだけに来たんじゃないよな?)誰からも似たようなことを言われる。
そして、今に至ると言うわけだ。朝っぱらからもう疲れた。
さて、そろそろ学校だし、現実逃避はやめるか。
しかし…こんな変な高校だが、果たして今の俺が受け入れられるのだろうか?
なんとしてでも俺が高壁守であることを信じてもらわなければならないし。
さて、どうしたもんかね…
「おはようございます~…おや?ちょっと君、この高校の生徒かい?私の記憶には無いんだが。」
…忘れてた。ここの校長は校門の前で生徒に挨拶するのが日課なんだった…それも聞いた話によると代々。これも百八意味不の一つだったりするらしい。
しかも、噂によればこの高校の中ならば全生徒、全卒業生の名前と顔を覚えていると言う化け物だとか。これも百八意味不の一つだ。
「はい。そうですよ。」
「……ちょっとついてきなさい。」
正直に答えたのだが、校長室に連行される事となってしまった。
まあ、俺は男だったし、この姿で校長に会うのは初めてだ。だから記憶に残っているはずが無いのだが。
さて、俺はこの後どうなるのか。帰されるって言うのが一番かもしれないな。もう帰りたいし。




