第二百四十二話 別に読むくらいよくね?留まらずに通り過ぎろ!?
二話目。
早く帰れたので投稿。
家に戻ってきたが、まだ昼間だ。
帰るなり昼飯を食べ終えたが、宿題ができない以上する事が無い。後は読書感想文だけなんだし、読書くらい…読書だけならよくね?
(私もこの場合は大丈夫だと思う。でも、どうせ読むなら別の読まなきゃいけない本の方がいいと思うの。)
”異世界ドタバタ騒動記”のことか…確かに、ある点を除いて読み物としては面白いんだが…
(書かれているのがほぼ自分なのがネックなの?)
その通り。色々と違う点はあるんだがな…大まかな性格が同じってところが、感情移入を普通よりも多くしちまうんだよな…
それも何倍も。あたかも自分が追体験しているような程に。
(まあ、私が気になるから読むけど。)
……え?読んじゃうの?
(うん、一巻から全部読む気で。)
………結構あったが?
(あくまで意気込みなの。)
…………俺、無理やり読まされるみたいになるんだが。
(こうなってる以上どうせ後で読むの。だってその気だって思ってるみたいだし。)
……………
(じゃあ、まずは一巻なの。)
この後、俺はまた羞恥地獄の一端を味わった。
そう、あくまで一端だ。何故なら途中で俺の恥ずかしさを共有していた令音が読むのを止めたから。
「自分じゃない、そっくりさんだ。」と自分に言い聞かせても主人公と自分を重ね合わせて読んでしまった。
人間は何でも関連付けたがる生き物だからな…まあ俺が勝手に考えただけだから間違ってるかもしれんが。
だが、途中途中止まったものの、結構読み進めることが出来た……二巻だけ。
まだまだ読まなければならないと思うと辛い。悶え死ぬと言う言葉が頭をよぎって…
あれ?何で通り過ぎずに留まるんだ?この前みたく通り過ぎてくれよ。
(………)
なお、令音はすさまじい(俺の)羞恥によって頭からプシューと煙を上げてしまいそうなほど真っ赤になり、うつ伏せに倒れている。
俺もかわいそうだなんて他人事を言える精神状態じゃないが、必死に冷静さを装っている。
でないとただでさえ羞恥の余波でこんな事になってるのに、今追加で羞恥を付け足したら本当に令音が悶え死ぬ…あ、令音はもう死んでたんだった。
しかし…これは本当にヤバイ。令音の羞恥の余波で俺も駄目になってしまいそうだ。
今はこれまでの経験(性転換とか女装とか)のおかげで少し免疫がつき、今もこうしてある程度の冷静さは健在だ。
もう誰でもいいから思いっきり冷えた氷水でもぶっかけてくんないかな…そうすれば令音も俺もある程度の冷静さは戻ってくれるだろうし。
あれ?俺は何を考えているんだ?恥ずかしすぎておかしく…いや、ちょっと記憶が飛んだだけだ。問題無い。
無いったら無い。
「まも…令音~?暇なん…ど、どうしたの!?顔真っ赤じゃない!倒れてるし…まさか風邪!?」
暇だとか言いながらタカミが部屋に入ってくる。守と言いかけたのは特になんとも言わない。
風邪だったらどれだけ良かった事か…あ、良くないな。
「……」
「とりあえず、氷でも持ってくる!待ってて!!」
タカミはそう言って部屋から出て行った。
氷とはありがたい。早く令音を冷やしてくれ。




