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第二百四十話 必要な覚悟?皆さんお揃いで!?

一話目。

 翌日。令音は父さんが言っていた坊さんの寺に来ていた。

 父さんは仕事のため、同伴する事は無かったが、地図を渡され、それを元に辿り着いた。


「ようこそ。こんなところに何の用ですかな?」


 寺の境内に入るなり、掃除をしていたのであろう、ほうきを持った一人の坊さんがそう言った。


「私は優野令音。この寺のお坊さんは陰陽師だって聞いたから来たの。それで、話があるの。」


「話、とは?」


「はい、実は私はもう死んでるの。」


「……続けて下さい。」


「私は気が付いたら墓場にいて、そこで偶然来た人に憑依しちゃったの。今の私の体はその人のものなの。

 この体から出て行きたいけど、出て行く方法が分からないの。だから、出て行く方法を教えて欲しいの。」


「……」


 簡潔に事情を説明した令音。それを聞いた坊さんは目を閉じて黙り込む。


「……」


「…覚悟は…出来てますかな?」


「?」


 少しの沈黙の後、坊さんが唐突に令音に言った。何のことだか、俺にも令音にも分からない。


「この場合、一番簡単な方法が、令音さん。貴女が成仏する事なんですよ。」


 この言葉に衝撃を受けたのは俺だけではない。令音もだった。


「私は貴女を成仏させる事ができる。そして貴女は既に死に、本来はこの世にいることも出来ない存在。

 生きとし生きる物は皆死に、皆この世を去る。この世を去るのは貴女だけではないのです。だから…」


「……」


 ……誰でもいい。この坊さんの言葉を和訳してくれ。これは日本語じゃない。意味が分からない。


(……要するに、皆死ぬし、あの世に行くのは私だけじゃないから覚悟を固めろってことなの。)


 おお、令音に和訳機能が搭載されていたとは。


(人を機械扱いしないでよ!)


 人魂だけどな。


「…まだ覚悟は決まらない。でも、いつか決めるつもりではある。だから、その時間が欲しいの。

 でも、その時間の間ずっとこの体を借りるわけには行かない…お坊さん。他のこの体から抜け出せる方法は無いの?」


 その決意は俺にも伝わってくる。考えている事どころか、気持ちすら筒抜けになってるからなコレ。


「……分かりました。では、貴女に一時的に体を元に戻す術をかけましょう。

 ただ、この術には準備が必要なので、明日まで待ってください。」


「わかりました。」


 令音は坊さんの提案を快く承諾した。






 令音は帰路に着き、俺は寺での事を何度も思い出しながら、喜びに浸っていた。

 やっと…やっと明日元に戻れる!


(よかったね。)


 昨日から自分で動けずに何度歯がゆい思いをしたか…


(やっぱり迷惑だった?まあ、体をのっとられて迷惑じゃないわけ無いか…)


 あ、令音、ゴメンな。気にしないでくれ。

 今はむしろ、令音が居なくなったら居なくなったで寂しくなりそうだしさ。


(ありがとう、フォローしてくれて。でも、ごめんね。)


 …これ以上はいたちごっこになりそうだし止めよう。


(…そうだね。)


「お!守~!」


「宿題終わったの?」


「……」


「いや何か言えよ移図離!」


「何か揃ったね。」


 こんな時に俊太、光、移図離、太郎、火太郎が来た。

 こんな状況になってる手前、せめて来るのは明日にして欲しかった。


「皆お揃いみたいなのね。」


「「「「「!?」」」」」


 ……早速か。早速なのか。早速ばれるような事を言ったか!確かにばれないようにしてくれなんて頼んでないけど!


「あ!ごめん!」


「……何があったんだ?守。」


「思いっきり別人だよね…」


「雰囲気も違うよ…?」


「…」


「だから喋れ!」


 思い思いのリアクションをする五人。移図離は喋れ。

 さて、ここは普通に説明するか?それとも、あえて何も言わないでおくか?

 それは令音に任せるとしよう。


(ええ!?私なの!?)


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