第二百三十三話 厄介なあの宿題?またまた忘れてた!?
三話目。
今回の投稿はこれで終了。また次回!
各教科のテキスト関連の宿題は、あれから二日ほどかけて終わらせた。
だが、まだ宿題は終わっていない。読書感想文があるのだ。
読書感想文、というのは非常に厄介なもので、文章を考える時間も必要だが、本を決める時間も読む時間もあるため、時間が掛かる。
俺は夏休み前、のんびり宿題を終わらせていけば良い、読みたい本はその内見つかるだろ。なんて考えていたため、読む本を決めてすらいない。
え?異世界ドタバタ騒動記?読書感想文をラノベで書く奴があるか。そして異世界の本で書けるわけないだろ。んなもんこの世界ではどこ探しても無いわ。
つまり、今の俺の状況は読まなければならない本があるのに、その本では感想文を書けない。というとてもはがゆいものなのだ。
で、その本を探すために近場の図書館に来ているわけだが…
「何でお前らまで来た。」
「「「「「「「「「「『『暇だから。』』」」」」」」」」」」
異世界組が皆ついてきた。図書館に着くまで全く気が付かなかったんだが。いつから尾行されてたんだ?
「…一応気付かれないようには来たんだがな…」
「甘いよ守!あんたの貧弱な隠密術が、私のやたらと高い索敵技能を持つ私にばれないわけ無いでしょうが!」
隠密術なんて使ってないんだが。というかあったら使っている。あってもだめらしいが。
そしてタカミの索敵技能って無駄に高いのか。そりゃばれるわ。索敵技能が呼んで字のごとしなものだったら。
「まあ、別に来るのは問題ないんだが、図書館とか外とかで問題を起こすなよ?目立ったらまずいんだし。」
もしもこいつらが問題を起こし、戸籍を見ても名前が無い!なんてなればまずい事になる。不法滞在だ。
…あれ?もしかして俺って、不法滞在に手を貸しちゃったか?まあ見つからなければどうという事はないか。
「あと、図書館では騒がないのがマナーだ。これらを守れるなら図書館に入っても良い。出来なきゃ帰れ。」
と言って俺は図書館の中に入っていった。
後で見てみたら皆が図書館に入っていたので、皆守れるのだろうということにし、本を探しに行った。
「…お、これなんかいいかもな。」
あの後やたらと俺についてくる皆に自由行動という事を伝え、皆をばらけさせた。
で、しばらく探していたらよさげな本があったので、それを取ろうとしたのだが…
「「あ。」」
その本に伸びるもう一つの手に気付き、その手の主を見た。
すると、そこに居たのは…
「友原…?」
俺のクラスで、四人(太郎だけ別の学校)以外の友達の一人、友原 友一だ。
俺の高校は入学式の時に自由に席を選べたのだが、その時俺たち五人の会話に割り込んでまで話してきたのがコイツだ。
俺だけでなく他の四人とも仲が良く、高校の中では時に俺と友原の友達を含めたグループでの行動がそれなりにあった。まあ、流石に友原との仲の良さでは中学校から一緒に居た俺たち五人にはかなわなかったが。
しかも、いつも俺たち五人と一緒にいたわけじゃないがな。
「え、えっと…なんで僕の名前を?」
え?と言ってしまう前に気付けたのは奇跡に近かった。
今の俺は銀髪美少女(自分で言うもどうかと思うが)だ。少なくとも、元の外見からはかけ離れている。
なので、友原が今の俺が高壁守だと気付けるはずが無いのだ。またまた失念していた。
「え、え~と…ちょっと知り合いに聞いたことがありまして…」
「そ、そうなんだ…」
良かった!信用してくれた!!ここで怪しまれてたら危なかった…
「そ、それでは!」
「あ、ちょっと…」
俺は友原が何か言う前にその場を退散した。
演技力には自信があるものの、名前をうっかり言ってしまうというミスの後では必ずどこかでボロが出る、という確信めいた直感が働いたからだ。
早く元に戻らないと…あ、戻っても髪は長いままだし女顔だった…まあ、銀髪が直るし、男に戻れるからいいか!
…あ、読書感想文の本を選ばないといけないんだった。危うく図書館からも退散するところだった…危ない危ない。
追記 友原友一の名前のルビを振り忘れてました。申し訳ありません。




