第二十四話 異世界には戻れるか?地獄の始まり!?
よし!間に合った!
「あれ?長くね?前こんなに長かったっけ?」
紙、丸の準備が終わり魔力を注ぐだけになったが…魔力を注ぎ始めてかなりの時間が経っていた。
「ワタシもう無理~…」
『俺もだ…』
フラルとフォルフは限界のようだ。ギーナはまだ続けている。
「魔力の使い方は人間よりエルフや魔物の方が上手いのに…ギーナは本当にすごいわね。」
『全くだ。』
エルフはまあ分かるが、魔物も人間より魔力の使い方が上手いのか…
「ふう…これ以上やっても無駄ね。」
「無駄?」
ギーナが言う。無駄ってドユコト?
「ええ、この世界の全てのものは、私たちの世界のものよりも含める魔力の量が少ないみたいなの。」
「え~と、つまり…」
分からない。全くもって、分からない。
「つまり、私達の世界の紙が魔力を100含めるとすると、こっちでは30しか含めないの。」
「ふむ、要するに三割か。」
「あくまで感覚的なものだから誤差があるし、他のものでは割合が違うと思うけどね。で、あっちで試した量の魔力は注げないから、無理って訳。質問は?」
「じゃあフォルフとフラルがつぎ込んだ余計な魔力は…」
「紙から溢れて霧散したでしょうね。」
「嘘でしょ…」
『……』
一人と…もうめんどくさいし二人でいいや。二人は疲れきった表情でギーナを見ている。
「なんでそうなった?」
「恐らく魔力に当てられるかどうかの違いのせいね。あっちの世界では皆魔法が使えるけど、ここでは使えない。で、それぞれの世界のものが適応していった結果、あっちの世界では魔力が蓄えられるように、この世界では蓄える必要が無いから、蓄えないようにならなかった。ということだと思う。」
なるほど、わからん。まあ、理由なんてどうでもいいか。
「と、いうことは…この方法、ここでは使えない?」
「かもしれないわ。」
なんてこった…別の方法なんてどうすれば…あっ
「ネットで調べれば…」
「ネットって何!?」
タイムラグが短くなってきた。そのうち間髪入れずに訊いてくるかもしれない。台詞が解説してからでないと言えなくなりそうだ。そんなのは嫌だ。
「ネットっていうのは…」
ここから地獄が始まった…解説地獄という名の地獄がな…
「…というわけだ。」
長かった。パソコン用語が出てくるたびに訊かれ、質問もしてくる。その質問でパソコン用語が出て、解説して…しんどかった。
「じゃあ調べよう!」
「ああ…」
もう疲れた…寝たい…
結果から言うと、何も出なかった。何故だ…
「そんな…私達はどうやって帰ればいいの…」
「そっちの世界に、転移する魔法とかはないか?」
「試したことはあったけど、駄目だったわ。」
うむ…
「とりあえず、今日は飯食って寝て、明日から考えよう。」
「そうね。」
『そうだな。』
「そうよね…まだまだこの世界を満喫してからでも…」
「それは良いが、早く帰れるように頑張れよ。俺も手伝うから。」
「はいはい。」
その後は翌朝まで何も無かった。フラルがことあるごとに質問してくること以外は…もう質問恐怖症になりそうだ…
実際に調べると出てきますが、この作品の世界では出てきません。
あしからず。




