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第二百二十話 謎だらけの男?聞き覚えが無い有名な本!?

一話目。

 コイツは今何て言った?

 高壁守に似てる?そりゃあ本人だし、似てない訳が無いだろう。それどころか全く同じなはずだ。

 ここだけを見ればかなりの天然として処理されるだけだが、問題はそこではない。

 俺とコイツは初対面のはずだ。少なくとも、俺がコイツに会った覚えは無い。

 なのに、何故俺の名前を知っている?これはどう解釈しても問題しかないと思うんだが。


「しかし、最新刊は昨日発売したばっかりなんだけどな~、もうコスプレをする人が出てきたのか。早いな~」


 最新刊?コスプレ?人気?もう訳が分からなくなってきた。


「もし良ければ君の名前を教えてもらって良いかな?」


「……」


 何なんだコイツは…挙句の果てには名前まで訊いてきやがった…


「……なんかゴメン。」


 何故謝った?もうこれ以上アンタに関する謎を増やさないでくれ。俺は今絶賛混乱中なんだ。


「守~!?」


「どこ~!?」


 混乱していたら光とギーナの声が聞こえてきた。

 とりあえず声がした方向に走っていく。


「あっ!ちょっと待ってくれ!」


「お~い!光~!ギーナ~!」


 謎が多い男は無視して、その声の方向に呼びかけつつ走る。


「いた!」


 すると、向こうから走っている二つの人影が見えた。

 その人影はこちらに向かっており、先程の声がしたと思われる位置から推測して、光とギーナだろう。


「やっと見つけた!」


「捜したんだからね?」


「悪い悪い。」


 そして合流。


「なんだと…ギーナや光のコスプレも…作者として感激だ!」


 もうこいつの言う事は全て無視しよう。気にしていても解決しない。オールスルー。スルースキル全開。


「…そこの人は?」


 と思っていたら光が訊いてきた。これではスルー出来ないではないか。


「訊かないでくれ。俺にも分からないんだ。」


「ちょっと待ってくれ!何でコスプレまでしているのにその作品の作者を無視する!?」


「コスプレ?作品?作者?なんのこと?」


 あまりにも意味不明な男の発言に、訊き返してしまう光。

 コイツからは厄介ごとを運んでくるオーラみたいなものが見えるからあんまり関わりたくないんだが…


「君達は僕が書いているこの本の登場人物のコスプレをしているんじゃないのか!?」


 そう言ってその男が持っていたカバンから取り出したのは一冊の本。

 タイトルは…”異世界ドタバタ騒動記①”…なんだそりゃ?聞いた事が無い本だ。

 著者は…タム?やはり聞いた事が無い。


「何なのその本は?聞いた事が無いけど…」


「なぬ!?作者の僕が言うのもなんだけどかなり有名でめちゃくちゃ人気がある本なのに!!」


 マジで聞いた事が無い。本当に有名で人気なのか?


「……その本を見ても良いか?」


「もちろん良いぞ。」


 この本を読めば、この男が言いたい事が分かるかもしれない。

 そして、その事はとても重要だ…という気がした。

 本を受け取った俺は、早速その本に目を通してみる。さて、何が書いてあるのか…

タムとじりゅーには何の関係もありません。

赤の他人です。

”異世界ドタバタ騒動記”と、”異世界に行く?そんなの予想できるか!”も全く関係ありません。

あくまで…おっと、これ以上は言えませんね。

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