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第二百十五話 高壁の活躍?なんでここに居るんだ!?

一話目。

試験が近くなってきたのに勉強に集中できない件について。

作者のやる気スイッチはどこだ!

 俺の黒歴史が増えてしまった後、俺の子供服を買うことになり、町の服屋に来ていた。

 …何故か皆で。

 ここは役割分担をして、宿を探す組、俺の服を買う組で分けるべきじゃないのかと思う。

 なんとなくだが、また一つ、黒歴史が増えてしまう予感がするのだ。その現場に居合わせるのは少ない方が…


「守!これなんてどう?」


「思いっきり女物じゃねーか!」


 タカミが持ってきたのは女物の服だった。また女物って…何の為に来たんだよ!男物の子供服を買うのが目的だっただろうが!

 さっきから皆は女物しか持って来ない。

 ちなみに俺には服の選択権は無い。俺が着るというのにおかしな話だが、俺が選ぶと確実に男物を選んで面白くないからだろう。

 唯一の救いは高壁が未だ一回も来ていない事だろうか。アイツが向こうに着いたらもう…


「守、これなら良い?」


 といって高壁が来た。その手にある服は…男物だった。


「それで良い!むしろそれが良い!」


 俺は高壁が持ってきた服に決めた。

 男物の服を持ってきた高壁は、今の俺には天使にしか見えなかった。







「…男物でも充分女の子に見えるわね。」


 服を買い、試着室(この世界にもあったのか…)で着替え、そこにあった鏡を見たが、タカミの言った通り、やはり男の子には見えなかった。


「……それは髪の毛のせいだ。」


 少なくとも、俺はそうだと信じている。そして髪の毛切りたい。


「一応その辺も気を使ったんだけど…」


「しょうがないわ。顔が顔だし…あ、そう言えば高壁は元の世界に帰らなくていいの?」


「あ!守が憐れすぎて忘れてた!」


「おい!憐れとか言うな!自分でも惨めになってくるだろ!」


「ゴメン!またね!」


 そう言って高壁は店を出ていった。さっきの発言はともかく、高壁に救われたのは確かだ。

 ありがとう高壁…あれ?なんか自分に感謝してるような錯覚が…まあいいか。






 宿屋を探しに行こうと提案したが、いくらタカミが金持ちだからといって、金が無限にあるわけではない。

 という訳で、町から少し離れたところで障壁ハウスを創り、そこで寝ることになった。だが、まだ日没には時間があるため、皆で分かれて町の観光をする事になった。


「しっかし、一人になるのも久々な気がするな…」


 なんとなく独り言を呟いてみる。思えば、旅に出てからは誰かと一緒だった。

 まあ、小さくなってたから仕方ないといえば仕方ないか。

 …別の意味で今も小さいが。


 トン


「あ、ゴメン。」


 考え事をしながら歩いていたら、誰かとぶつかった。

 俺も相手も肩がぶつかったことと、今の俺の身長からすると、相手は子供らしい。


「気をつけろ…ごめん、大丈夫だった?」


 ぶつかったと思われる子供は、俺の顔を見ると同時に態度を変えてきた。

 …完全に女の子だと思われてるな、これは。


「大丈夫だ。」


 と、少し笑顔になって言うと、その子供(男の子だと思われる。確定しない理由?それは訊かないでくれ)は走り去っていった。

 顔が少し赤かったのは気のせいであると思いたい。というかそうであってくれ。マジで頼む…!いや本当にマジで…


 ドン!


「いだあ!?」


 と願っていたら、今度は凄い勢いでぶつかられた。その衝撃で俺はしりもちをつく。

 ぶつかってきた奴は、俺にぶつかった事に気付いていなかったかのように走り去っていった。

 その様子は必死で、まるで何かに追われている様だった。


「大丈夫かい!?」


 ぶつかっていった奴を見ていたら、突然横から声を掛けられた。

 その声の主には見覚えがあった。


「…ルド?」


「え?なんで俺の名前を…ん?守に似てるな…」


「似てる、じゃなくて本人なんだよ。」


「え?ええええ!?」


 なんで分からないんだ…あ、あの時は小さくなってたからか。

 一から説明しないと…って、なんでここにルドが居るんだ?

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