第二百十二話 そんな事は聞きたくない?微笑ましい光景!?
四話目。
さて、明日は更新できるかな…
「やっほ~サイズが知りたかったので見に来ました~。」
「すまん守。俺には止められなかった…」
しばらくするとタカミが小屋に来た。
言ってることはもっともだが、どうせそれは建前だろう。小さい(年齢的な意味で)ままの俺を笑いに来たに違いない。
「あっははははは!小さいねぇ~。」
ほれ見ろ!
「ん~でも、私は男物の服なんて持ってないよ。報酬とか魔物が落としたものとかも売っちゃったし。
一応売り忘れてた子供用の服はあるけど。女用の。」
なん…だと…また俺は女装しなければならない(小さくなってたときの事。見た目はともかく精神的には女装に等しかった)のか!?
「ここに置いてくから着替えてね。」
そう言って、タカミは小屋から出て行った。
…おい!なんで男物の服は無いはずなのに、なんでブリーフはあるんだ!?実はあるけど黙ってるんじゃないだろうな!?
「おい!ブリーフはあるのに男物の服は無いってどういうことだよ!」
着替え終わると、俺は早速タカミに抗議した。
「…割と似合ってるわね。女の時の姿を見て、結構男の時のパーツが残ってるな~とは思ってたけど。」
そんな答えは聞きたくなかった。尋ねてないのと合わせて二重の意味で。
「そんな事はどうでもいい!質問に答えろ!」
「ああ、それだけ珍しい性能があったから保留してたのよ。疑っても男物の服なんて出てこない。」
……嘘をついてる様子は無いようだ。嘘に敏感とかそんなんじゃないが、俺から見ればそうだ。
あと、珍しい性能って何だ?
「……一瞬この子誰だと思った。」
「それ以上言うな!火太郎!」
「に、二次性徴がまだだし…」
「光!そこで声が震えるのかよ!はっきりしっかり否定してくれ!余計傷つく!あと、ヤソグの実の効果切れてないの俺と高壁だけかよ!」
「なかなか似合ってるぜ、相棒。」
「どこの王様だよ!てかよく見たら今の服装が高壁と全く同じだ!」
「もっと腕にシルバー巻くとか」
「止めい!」
前から思っていたが、高壁は結構オタクらしいな。
前にそう思って本人に聞いてみたら、笑顔になる動画を一時期よく見てただけとか言ってたが。
まあ、それは俺もだったがな。
「…なあ、誰か否定してくれないのか?頼むから誰かはっきり否定してくれ…」
少し涙目になりながらも言うと、全員が「うっ」っと言ってたじろいだ。約一名を除いて。
「大丈夫?」
その約一名…キャビが俺の心配をしてくれる。ありがたすぎて泣きそうだ。
「ありがとう…本当にありがたいよ…」
やべっ、言葉にしたらマジで泣きそうになって来た。泣く一歩直前だ。
「微笑ましいのである。」
「ああ。見てるだけでも癒されるな。」
「僕達がその原因を作ったと思うと複雑な気分になるけどね…」
何も聞こえない。何も聞いてない。
「なあキャビ…今の俺は女の子に見えるか?」
「うん!可愛いよ!」
俺は泣いた。
その時、皆が訊かなければ良かったのに…という顔をしていたことを、涙で視界が歪んでいたこの時の俺が知るよしも無い。




