第二百九話 目立てない?もう遅かった!?
一話目。
四日ぶりの投稿です。
土日なら更新できます。多分。
さあ、現実逃避の時間だ!
あたし達に術を書けた後、吸血鬼は棺桶にとんでもないスピードで入っていった。
その棺桶がガタガタ震えてる所を見ると、タカミがよっぽど恐かったんだと思う。
それを見たタカミは棺桶に、どこから出したのか、いつの間にか持ってた釘をうって、棺桶を開かないようにした。
その後、この建物を探索していたところ、眷属になっていたと思われる女の人がたくさん居る部屋を見つけた。
どうも眷属になった後の記憶は無いらしく、何でここに居るのか、皆疑問に思ってたらしい。
その人たちも帰して、これで一件落着。もうこの町は吸血鬼に怯える事は無いと思う。
さて、ここで早いところ別の町に行こう…っていう話になったんだけど…
「是非お礼をさせてください!」
と、どこから聞きつけたのか、町長が言ってきた。
どこから聞きつけたんだろ?早いところ行こうって話になったのは騒ぎにならないようにするためなのに…
「えっと…あまり目立ちたくないので、騒ぎになる前にこの町を発ちたいのですが…」
騒ぎになって目立って調べられて、万が一リセスが王女と言う事がばれたら、色々と面倒な事になる。それを踏まえての方針だったんだけど…
「いえ!本当にあの吸血鬼には困っていましたので!むしろお願いします!お礼をさせてください!」
どれだけ困ってたんだろ…少し町から女の人がいなくなってただけだよね?
あ、いや、でも、最悪帰ってこないって考えると、ある意味この扱いも当然なのかも…
「……お礼はいいですよ。私達も連れが攫われたので。それを連れ戻しに行っただけです。」
「ですが!」
「お礼は私達が解決した事を黙ってくれる事にしてください。」
「……その…大変申し上げにくいんですが…もう皆さんが解決した事は町の皆が知られてます。顔も含めて。」
「「「「「「「「「「「『『………え?』』」」」」」」」」」」」
「居たぞ!救世主様だ!」
「「「「「「「「「「「『『えええええええええええええええ!?』』」」」」」」」」」」
大勢の町の人々がこっちに向かってくる。でも、幸い町の出口までの一本道からは誰も来ないので、町に出るように走れば逃げられる。
「皆!走るである!!」
フラルの号令で、皆は走り出した。
ここで余談だけど、私達六人はかごの中にいる。
かごを持ってるフラルは走ってるから…
「痛い痛い痛い!走らないで~!」
「俊太!無茶を言うなである!町の人に捕まりたいであるか!」
「お礼されるだけなんだからいいじゃん!」
「………確かに逃げる要素が無いであるな。もう既に私達の顔はばれているのである。」
「「「「「「「「「『『………あ。』』」」」」」」」」」
皆は立ち止まった。
「……思えば、なんで逃げてたんだろ。」
「追われたから逃げる。動物の悲しい性ね…」
結局、あたし達は町のお礼を受け、町長の家でたくさんのご馳走を食べさせてもらった。
ご馳走を食べ終えるなり、あたし達は町長の家を出て行った。これ以上は本当に申し訳ないと思う。
だって、タカミが一人で吸血鬼をたこ殴りにしただけだしね…他には誰も何もしてないもん。
「やっと見つけた!」
あれ?どこかで聞き覚えがあるような声が…でも、少し幼い。
と、その方向を向くと、幼いリセスがいた。
「あれ?リセス?」
「私はここですよ?」
いる。幼くないリセスはちゃんといる。じゃああれは?幻覚?
「…分からない?高壁だよ!」
…高壁?コレが?幼いけど?




