第二百八話 フラグを立てたからこうなった?鬼の自覚があるのか!?
二話目。
今日から本格的に試験勉強を始めるため、更新ペースがまた遅くなりそうです…
しかし、長い間放って置くと、ただでさえ無い執筆の勘のようなものが鈍ってしまうのは避けらないと思うため、ちょくちょく投稿はすると思います。
これらの事をご了承下さい。
タカミの後からぞろぞろと七人やってきた。
これであたし達一行は全員集合…って、一人称も変わるの!?
「皆!」
「遅くなりました!」
「さて、さっさとかたずけちゃうよ!」
タカミが取り出したのはやっぱりあのハリセン。
この場面であのハリセンだと、やっぱりちょっとかっこ悪い。
「そんな見るからに貧弱な武器で、この俺様に勝てるかぁ!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
「口ほどにも無かったわね。」
数秒後、吸血鬼はタカミに跪いていた。やっぱりVRMMOで鍛えられたタカミのステータスは並みではなく、吸血鬼ですらあっさり撃沈した。
戦闘のあるゲームのキャラって、大体人間離れしてるからね。
あ~あ、あんなあからさまなフラグを立てるから…
…あれ?まだ術が解けてない…?と言う事はまさか!
「タカミ!離れて!」
「え?今の誰?守?」
「ふはははは!もう遅い!くら」
「てい。」
スパン!
「ぐはあ!!」
バタッ
………弱っ!?
わざわざ解説すると、不意打ちをしようとした吸血鬼が立ち上がりかけた瞬間にタカミのハリセンが振り下ろされ、吸血鬼はいともあっさり沈んだ。
沈んだ、と言うのは比喩ではなく、ハリセンで打たれた頭から、本当に床に陥没している。
「…終わったのか?あっさりしすぎてたが…」
「あ!喋り方が元に戻ってる!」
あ!本当だ!元の喋り方に戻った!やった!
「……元の喋り方?そう言えば、さっきの守の喋り方が変だったけど…何があったの?」
タカミが訊いてくる。
そう言えばまだ俺たちに掛けられた術の事を言ってなかったな…ん?なんか薮蛇の予感が…
「ああ。さっきまで俺たちは、あの吸血鬼に秘術とか言うやつを掛けられてて、喋り方が変えられてたんだ。
いや~、特にデュアの喋り方が」
『言うな!』
デュアは早くも黒歴史に認定されてしまったらしい。もちろん俺もだ。あの精神的なダメージは大分効いた…
「……へえ~…そんなに面白そうな事が…起きて。」
ベシッ!
「いだ!?」
タカミに胸倉をつかまれ、頬を叩かれた吸血鬼が起きた。
「あんた、またさっきの六人に秘術とかいうのを掛けてよ。」
「はあ!?」
『何故だ!』
なんて事を言い出すんだコイツは!
「だって、私達が眠い中必死に起きて見張ってるって時に、アンタたち六人はグースカ寝てたのよ!?
その結果がこれだし、私達があんた達を捜す為にどれだけ苦労してたと思ってるの!?」
ぐう!?それを言われると痛い…ぐうの音は出たが。
「…それっぽい建物に入ってみたら一発で見つけたって言うのは言わない方が良さそうだね。」
ボソッと火太郎が何か重要な事を呟いた気がしたが、俺の耳には届かなかった。クソッ。
「さあ早く!早くしないとまたハリセンを…!」
「分かった!分かったから!術は掛けるから見逃してくれ!」
「見逃す!?それはこれから悪事を働かないと約束したらの話よ!」
「約束もする!眷属にした奴も元に戻す!だから見逃してくれ!!」
「オッケー。ならさっさと」
「ちょっと待った!せめて、せめてその罰は今日だけにしてくれ!本当に悪かったと思ってるから!!」
「……どんな喋り方だったのよ…」
「子供みたいな喋り方だった。しかも女の子。」
「………分かったわ。私も元の姿でその喋り方でいろって言うほどの鬼じゃないから、その姿でいる間だけで勘弁してあげる。」
そこまでって…少なくとも自分は鬼っていう自覚があるのか…
「今日だけっていう設定でいける?」
「大丈夫だ…魔法と同じでイメージに依存するところもあるしな…」
さっきは必死で勢いがあったものの吸血鬼は既にボロボロだ。そのため、突然勢いが無くなった物だと思われる。
「ではいくぞ…ほれ!」
ポン!
俺たちのかごは、またさっきと同じ煙に包まれた。




