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第二百七話 同情するなら戻してくれ?ヒソヒソ声の作戦会議!?

一話目。

 

「言っても無駄だとは思うけど元に戻して!」


「無駄だと思うなら言うな。そしてもちろん駄目だ。」


 やっぱり駄目だった…言われて元に戻すくらいならそもそもしないからね。

 でも…せめて精神的なダメージはなんとかしたい。この口調だと喋るだけでなく、考えるだけでも精神的なダメージが来るのが分かる。

 いつぞやのように丁寧語で話すといいのかな…?そうでなくとも火太郎のような中性的な喋り方ならいけるかな?


『…じゃあ、一体どうすれば元に戻れるの…グハッ。』


 今回一番辛いのはデュアだと思う。喋り方が一番変化したといって良いもん。

 精神的ダメージのせいかどうかは分からないけど、座り込んでしまった。


「…その秘術は、俺様が死ぬか、一気に大きなダメージが入った時、または俺様の意思で解く事が出来る。」


 一瞬哀れみのような表情が浮かんで、すぐに元の表情に戻った吸血鬼が言った。

 同情するなら元に戻してよ。


「この喋り方はどう決まってるの?」


 なにやらこの秘術に興味津々のような顔をしたギーナが訊いた。

 ギーナはこの術の影響を受けてないみたい。


「俺様のイメージ…だろうな。」


 勝手にこんなイメージをしちゃって…もう本当に戻して…”しちゃって”は考えた事とはいえ大分傷つく…

 もっとも、こんな姿じゃ、そんなイメージをするのはしょうがないこと…なのかな?ハァ…


「ねえ皆、あの吸血鬼に一撃でここから大ダメージを与える攻撃は出来る?」


 小声であの吸血鬼には聞こえないように、皆に尋ねる。


「速度を操っても…操るものが無いから無理。」


「能力が無い。」


『何も出来ない…』


「あの光線は…多分無理だと思う。太陽光ならともかく、部屋の明かりじゃ…」


「「「「「『…太陽光?』」」」」」


 そう言えば、吸血鬼は強いが、代わりに弱点が多いと言うのを訊いたことがあった。

 太陽光、流水、にんにく、十字架…他にもいろいろとあった気がする。

 もっとも、あの世界の空想が、この世界に通用すればの話だけど。

 でも、この世界の住人のデュアやギーナも反応したと言う事は、恐らく…


「吸血鬼の弱点はなに?ギーナ。」


「私が聞いたことがあるのは、十字架と太陽光よ。」


「にんにくや流水は?」


「聞いた事が無いわ。」


 聞いてないだけなのか、それとも効かないのか…判断に困るけど、この二つがあれば充分。あとは、どうやってこの二つを使うか…


「…これならいけるかもしれない。」


 光が何かを思いついたらしい。早速その案を訊いてみる。


「話して。」


「うん。まずはギーナが壁を破って、太陽光を吸血鬼に当たるようにこの部屋に差し込ませる。

 次に僕がその太陽光を操って十字架にして、吸血鬼に落とす。どう?」


 まさに相手の弱点を突いた見事な作戦だと思う。


「その案、良いわね。」


「賛成。」


「お前等、何を話し合っているのだ?」


 ここまでずっと小声で、皆で向き合うように話してたから吸血鬼には挙動不審な行動に見えたんだと思う。


「なんでもないよ?」


「いや、そう言うときほど何かあるんだが…」


「…いつするの?」


 ギーナが小声で問いかける。


「今で」

 バン!!


「いたああああああああああああ!!」


 小声で答えようと思ったら、ドアを勢いよく開けて誰かが部屋に突撃してきた。少なくとも、さっきまでここにはいなかった人の声だった。

 そして、その声には聞き覚えがある。その声の主は…


「やっと見つけた!あんたが吸血鬼ね!!」


 その声の主は、吸血鬼を指差して大きな声で叫んだ、タカミだった。

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