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第二百六話 うかつだった判断?じゃあとか言うな!?

二話目。

 時は遡り、守達が吸血鬼の話を聞いた日の夜。

 守達は早くも眠りに着き、各部屋では火太郎、フラル、リセスが見張っていた。

 そして、その三人は例外無く、暇をもてあましていた。


「暇だな~…」


「暇である…」


「暇ですね…」


 三人はそれぞれ別の部屋にいるのだが、ほぼ同タイミングに呟いた。無論、お互いの声は聞こえていない。

 暇だが、ここで寝てしまうと、吸血鬼が来た時になす術もなく眷族を増やされるだろう。

 この役目は重要なのだ。だが、三人の考えは全く同じだった。


(((早く何か起きないかな~…)))


 あまりにも暇すぎて不謹慎な考えも辞さなくなってしまったらしい。


「キャアアアアアアアアア!!」


「「「!」」」


 そんな考えがフラグになったのか、一階の部屋から悲鳴が響いた。

 三人は悲鳴のした方向に急ぐ。


「フラル!リセス!聞こえた?」


「はい!一階ですよね!」


「そうである!」


 三人は確認しあい、一階の悲鳴の元へと向かう。

 守一行が泊まっていたのは二階だったため、階段を急いで下りた。

 そして廊下の突き当たりでへたり込んでいる女性を見かけ、話しかけた。


「どうしました!?」


「き…吸血鬼が…上に…飛んで…!」


「上…!しまった!」


 女性は恐怖で言葉が途切れ途切れになりながらも答える。

 その答えに三人は、自身のうかつさを覚えつつ、また二階へと急ぐ。


「せめて誰かを残しておけば…!」


「全くです…」


「それより、今は皆の無事を確認しないとまずいのである!」


 三人は各部屋に戻り、皆の無事を確認しに行く。


「こっちは大丈夫である!」


「私の部屋もです!」


「フォルフ!って、お前は!」


 火太郎が見た部屋。そこには小さくなった六人がいる鳥かごを持った、羽の生えた人影があった。

 窓は開け放たれ、風がカーテンをはためかせている。


「ま、待て!」


 火太郎の声など聞こえなかったかのように、鳥かごを持った人影は窓から外へと飛んでいった。


「火太郎さん!どうしました!?」


「火太郎!って、何であるかあの人影は!」


 そこに自分達の部屋を確認していたフラルとリセスが来る。


「リセス!フラル!あれが鳥かごを!」


「なんと言うことであるか…」


「落ち込んでる場合じゃないですよ!フラルさん、早く追いかけて!」


「そうである!急ぐであるよ!」


 ボウン!


 と言う音と共に、人影を中心に煙が発生した。


「なっ!煙幕!?」


「全く見えない…これじゃ追えないのである…!」


 追いかけられないことに歯噛みをしながら、三人はただただ煙を見ていた。


「…どうしますか?皆さんを起こしますか?」


「……いや、ここは休ませた方が良いである。今からの捜索は困難である。探すなら日が昇ってからの方が良いと思うである。」


 三人は、後の捜索に備え、まずは寝て休む事にした。







「とまあ、こんな事があったのである。」


 フラル、火太郎、リセスの三人は、六人が失踪したことのあらましを、寝ていたタカミ、移図離、キャビ、フォルフの四人に説明していた。

 と言うのも、鳥かごが持っていかれたときに起きていた三人は、見張りの時間を無視して寝ていたため、どういうことかと事情聴取をされていたのである。


「まったく…だとしても他に吸血鬼がいたかもしれないじゃない。

 吸血鬼が一匹だけだなんて、誰も言っちゃいなかったんだから。」


「それに関してはゴメン…」


「反省はしてます…」


「後悔はしてないであるが。」


「フラル!?何余計なの付け足しちゃってんの!?」


「後悔もしていますよ!少なくとも私と太郎さんは!!」


「じゃあ私も後悔しているのである。」


「じゃあってなんですか!」


「後悔してないな絶対…」


『そ、それより、どの方角に飛んで行ったかは分かるのか?』


 フラルのせいで脱線しかけたものの、フォルフが軌道修正をする。


「大体は。」


『なら、その方角に行くぞ。皆も良いな?」


 当然、反対意見は無い。

 三人の処罰を保留にしたまま、七人は鳥かごの六人の捜索を始めた。

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