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第二百五話 警戒は無意味?そんな秘術が何故あった!?

一話目。

 

「「「「「『……』」」」」」


 ここはどこなのだろうか。全く分からない。というか真っ暗で何も分からない。

 落ち着け…落ち着いて今の状況で知っていることを整理しろ…!

 俺たちは宿屋の部屋で寝た。そして目が覚めたら真っ暗な場所にいて、今に至る。

 うん。何も分からない。考えても無駄だ。


「…ここはどこ?」


「俺が聞きたい。」


「俺も聞きたい。」


「俺もだ。」


『我も。』


「私も。」


 この様子では、誰も何も知らないだろう。


「フッフッフ、目が覚めたようだな…」


 突然何者かの声が辺りに響く。


「誰だ!」


 という太郎の声の後に、辺りが明るくなる。

 ここには窓が無い。俺たちがいるかごは小さい机のようなものに置かれているらしく、少しだけ机の角のようなものが見える。

 地面には赤いじゅうたんがあり、そのじゅうたんの先には王の椅子を思わせる豪華な椅子が置いてあった。

 そして、その椅子に座る人のような者の姿があった。その者は後ろから羽が生えており、端整な顔の口元には鋭い牙のような物があった。

 そう。あの姿はまるで吸血鬼。俺たちがこの村に来て警戒していた存在を連想させた。


「お前がここを騒がせている吸血鬼か!何が目的だ!」


「……俺様は今、感動している…」


「は?」


「俺様は今まで、お前らのような奴を待ち望んでいた…」


「…?」


 吸血鬼(確証が無いため、念のため仮をつけておく。)は、自分の言葉を噛みしめるかのように喋る。

 意味が分からない。俺たちのような奴を待ち望んでいた?一体どういうことだ?


「俺様はお前らのような小さき者が好きだった…何度小さい種族に会いたいと思ったことか…」


「…それはlikeだよな?loveじゃないよな?」


「種類はlikeかもしれんが、loveと言ってもいい!それほど好きなのだ!」


 ……小さき者って、年齢じゃないよな?身長だよな?

 小さい種族って言ってたし、身長だということにしておこう。確認を取るのが恐いから確認はしないが。


「小さき者って、身長か?それとも、年齢か?」


 おい何訊いてんだ俊太あああああああああああ!


「む?そうだな、俺様は」

「答えなくても良い!というか頼むから答えないでくれ!」


「あ?ああ…」


 渋々という感じだったが、とりあえず回避できたらしい。


「おい!なんで止めた守!」


「今の質問は完全に薮蛇だろ!」


「薮蛇って何だよ!」


「藪を突いて蛇を出すの略!余計なことをして失敗するってことだ!」


「…ふむ。その喋り方はお前らには似合わんな。ほれ。」


 と吸血鬼が言い、立ち上がりもせずに指をこちらに向けると、俺たちのかごはポン!という音と共に煙に包まれた。


「へぶ!?」


「な!?」


「に!?」


『ぬ!?』


「ね!?」


「の!?」


 なんでナ行になった!?

 と突っ込んでいると、煙が収まった。


「皆大丈夫!?」


 …ん?言葉使いがおかしいな…?


「う、うん…あれ?」


「何が起きたの…え?」


 今の言葉は上から順に、俺、俊太、太郎。

 明らかに口調がおかしい。まさかさっきの煙で…!


「さっきは何をしたの!?」


「やはりお前らにはその喋り方が合うな。今のは俺様が吸血鬼の秘術でしたものだ。」


 そんなことで秘術使わないでよ!というか、なんでそんな秘術があるの!?

 って、思考まで有効なの秘術コレ!?


『元に戻してよ!』


 デュアのキャラ崩壊がひどい。

 あの喋り方からこの喋り方になるとギャップが凄い。いや、見た目的には合ってるけど。

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