第二百二話 知らぬが仏戦法?まじめに別れろ!?
一話目。
今回はいつに無く中身が薄く、進展がありません。ごめんなさい。
では、履歴書を書かなければならないのでこれで…
ルドの案内が終わり、俺たちは今、村の入り口まで戻ろうとしている。
そして、村を出たらすぐに次の村か町を目指して行く事になるだろう。
「ルド、短い間だったけど、ありがとな。」
「いや、俺は攻撃しちゃったお詫びをしたまでだよ。お礼を言われる筋合いは無いさ。」
しかし、村で歩いている時から思っていたのだが、俺たち小さい六人組の歩幅と二人と一匹の歩幅が全く合っていないせいで、移動が大変だ。
途中で他の皆には止まってもらったりしているのが、何と言うか申し訳無い。
あのかごがこんなにも偉大なものだとは思っていなかった。最初は牢屋みたいだとか思ってたけど、もうそれがあのかごに対する冒涜にしか思えない。
「おっと、もうお別れみたいだな。」
もうすでに村の入り口が目の前にある。
「…なあ、ルド。」
「なんだ?」
突然太郎がルドに話し掛ける。
「俺達と一緒に旅をする気は…んぐ!?」
「な、なんでもないみたいよ、あ、アハハハハ…」
「?」
何かを提案しようとしていた太郎の口をギーナが押さえて割り込んだ。
「おい!なにすんだよギーナ!」
「それはこっちの台詞よ!太郎は皆の今の姿を見て言おうとしてたの!?」
「…あ。そう言えばそうだ…すまなかった。」
「わかればよろしい。」
太郎とギーナが小声で話していた。俺には聞こえるが、他のみんなの様子を見るに、今の会話は小さい六人組しか聞こえなかったようだ。
確かに、今の俺たちの姿は本当の姿ではない。
ルドはそれを知らないが、もし知られたら……恥ずかしい。
更に、わざわざ口調を子供に合わせていたルドも、恥ずかしいと思うだろう。
子供相手ならともかく、十五歳やら十六歳を相手にあの口調では恥ずかしいだろう。
あの親切なルドをそんな目に遭わせないためにも、知らぬが仏戦法を取ったほうが良いだろう。
という思考を、ギーナはノーヒントであの二、三秒のうちに行ったのだろう。すげえ。
「…おっと、着いたね。これでお別れか…」
ルドは少し名残惜しそうに言う。
「ルドはこれからどうするんだ?」
「ああ。これからも引き続き、この町を拠点に情報収集をするよ。黄金人の目撃情報があれば、その場所に出向くけど。」
「そうか。頑張ってな。」
「いつかまた会えるよ。きっと。」
そう言って俊太とルドは握手をしようとしたが、俊太は小さかったため手が届かなかった。かっこつかねえ。
「…じゃあ、俺たちは行くよ。じゃあな。」
「またいつか。」
「さようなら!」
「またな。」
『頑張って見つけろよ。』
『以下同文。』
「以下同文。」
「いかどーぶん!」
「手抜きすんなよ…じゃな。」
「もうキャビは言ってたでしょ…じゃあね。」
今のは俺、ギーナ、キャビ、俊太、フォルフ、デュア、フラル、何故かまたキャビ、太郎、光の順だ。
何か突っ込みどころがある別れ際だったが、まあ、こいつららしくて良いか。
俺たちはルドの見送りを背に、村から出て行った。




