第二百一話 割と退屈な案内?冷静さを失うのは恐い!?
一話目。
ようやく書けた…
「そう言えば、自己紹介がまだだったよな。もう知られてるけど、俺は守。」
「あ、そう言えばそうだったね。俺はルド。」
「あたしはキャビ。」
「俺は俊太。」
「太郎。」
「うで続かないけどギーナ。」
…?
………ああ、そう言えば、俊太、太郎でしりとりみたいになってるな。一瞬分からなかった。
というか、この世界でもしりとりはあるのか。
「私は光。」
『我はデュア。』
『俺はフォルフ。』
「フラルである。」
「皆、よろしくな。自己紹介も済んだし、案内するよ。」
ルドの案内の元、俺たちは観光を始めた。
「ルド。確かさっき、黄金人がルド以外にもいるって言ってたよよね?もし良ければ、その話を聞かせてくれない?」
「なんだい唐突に?」
「観光するって話だったけど、ここには観光名所と呼べるようなものが無いみたいだし、それじゃあ退屈よ。
だからさっき上がった話を聞いてみようと思ったの。この辺りに出たと言う事は私達が出会う可能性もある。無関係とは言い切れないからね。」
言われてみればそうだ。この話は俺たちと無関係だとは言いきれない。
「…まあ、確かに。じゃあ話そう。あれは数週間前のことだったか。黄金人の村から一人の女が逃げた。
何故逃げたのかは未だに分からないが、その女は次期村長とまで言われた奴だった上、今の村長もそろそろ引退するという噂があったから、一刻も早く村に戻さなければならなかった。
そこで、その村から数人、その女を捜す役割を与えられ、その数人は世界のあちこちに散って捜すこととなった。
で、俺もその一人なんだが、俺はこの村を少し気に入っていてな。この近くでその女の目撃情報もあったから、この村を拠点にしていたんだ。」
「……その目撃情報、俺かもしれない。」
「さっきも聞いたよ。でも、守は違うんだろ?」
「ああ。違う。」
「さっきは頭に血が昇ってて間違えちゃったけど、冷静だったら違うって分かってたさ。なにせ、その女は俺の幼馴染でもあるからな。」
だったら頭に血が昇ってても間違わないで貰いたかった。
「冷静さを失うと周りが見えなくなるって、よく言ったものよね。」
「ハハハ…」
まったくだ。冷静さを失うって、本当に恐い事だ。
「でも、このあたりにはメタフォの森とかいう森があるらしいからね。だから頭に血が昇ってた時に間違えたんだ。」
…ここまで考えが回るならこいつ、実は結構冷静だったのでは?と思わざるをえない。
「さて、案内を続けようか。何も無いけどね。」
あ、まだ終わってなかったのか。
何も無いから退屈な案内だったが、まだ続くのか…




