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第百九十八話 こいつがあの種族?確かに人間扱いだけど!?

一話目。

 

「ここが魔物の町…」


 一面の魔物、一面の魔物、一面の魔物、たまにいる獣人。

 一面の魔物、一面の魔物、一面の魔物、多分亜人の人。

 色々変えたが、こんな感じの詩があった気がする。

 とにかくここは周りを見回すと魔物ばかりだ。ここまで魔物が居るというのに誰も襲って来ないのは、何か違和感がある。これも偏見なのだろうか。


「…あれ?あそこに居る奴、普通に人間じゃね?」


 俊太が指差した先にいたのは、さっき俺が多分亜人の人と言った奴だった。

 亜人にしては人間と変わらない外見だというのに、誰からも冷たい視線のようなものは無い。


「なあ、訊いてみようぜ!」


「賛成である。」


 俺たちはその亜人(?)の元へと駆けていった。

 俺たち六人を入れてたかごは、町の外にいるタカミが持っている。

 どっかの門番さんの強い要望によるものだ。まあ、おかげでここの住民に何度も踏まれかけたが。

 安全なかごに戻りてえ…


「はや!?どうしたの!?」


 あ、靴下の機能を皆に説明してなかった。







「一つ訊いても良いですか~!」


「なんだ?」


 靴下の機能を説明する羽目になり少し時間をとられてしまったが、例のあの人に話しかけた。呼び方に他意は無い。多分。


「あなたはどんな種族なんですか?」


「ああ。黄金族…って知ってるかい?」


 黄金族?まさか、前に俺が誤解されたあの種族か?


「知ってる~!守がこの前に誤解されてた種族だよね~!」


「おい!言うな!俺だって狙ってたわけじゃ」

「その反応を見るに、お前が守とかいうやつらしいな…お前か?この近くにいたと言う黄金族は…

 って、随分と小さい…ゴメンな、ただの勘違いだったみたいだ。」


「ハハハハハ…」


 キャビの言葉を聞いた直後に、雰囲気が変わった。

 まるで臨戦態勢をとったような、怒りが湧き出たような…そんな雰囲気だった。誤解だと思うと同時にその雰囲気は消えたが。

 ここで勘違いじゃないとか何とか言える様な命知らずではないので、それに関しては黙っておく。

 ……俺を小さい子ども扱いしやがって…!確かに人間扱いになった分はいいが、まだそれでも…!

 だが我慢だ…この姿じゃそう見えるんだ…決して悪意があるわけじゃないんだ…!!

 だが、ここまで様子を見ると、別に悪い奴でもないらしい。でなければ子供相手に言葉遣いを変えたりはしない。


「ねえねえ!もしかして金色になれるの!?」


「ああ、もちろんだ。」


 と言って男は俺たちから少し距離をとる。


「いくぞ…!これが黄金人の…”黄金化”だあああああああ!!!」


 ストレートすぎるだろ!誰だこんなネーミングした奴は!!

 と、心の中でツッコんでいる間に、黄金人の男の髪の毛が金色になった。目の色は変わらない。

 しかし、黄金化とかいうヤツの後の威圧感は大きい。さっきとは全くの別人になってしまったようだ。


「どうだ。これが黄金化だ。」


「すごーい!守がしたのとほとんど同じだー!」


「おい止めろ!俺のはパチモンにすぎな」

「俺がここに来たのは村から出て行った一人の黄金人を探してたからなんだが…そいつがここにいたとはな!

 さあ、力尽くでも村に帰ってもらうぜ!」


 ……なんとなくだが分かる。こういう時は何を言っても無駄なのだと。

 そして、今の俺には戦う以外の選択肢が無いことを。

 ああ…今日も空が青い…

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