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第百九十五話 あいつらも気になる?謎が多い真相!?

一話目。

またこんな時間まで起きてしまった…

早く寝ないとまた昼に起きる事になる…!!

「何か言われるのは俺達だからそれは止めて欲しいんだが…」


「俺達に見付かってた時点で諦めるべきだったな、それは。」


 ライは止めて欲しいようだが、俊太は止まる気が無い。他の皆も同じだろう。


「じゃあ僕も連れてって!なんでこんな事をしなきゃなかないのか、気になるもん!」


 ウィドが頼み込んできた。確かに、こんな事をする意味が分からない。意味も分からずにしている側は、日ごろから気になっていた事だろう。


「ウィド!」


「だって気になるんだもん!」


「はぁ…仕方ない。ウィドを連れてくなら、俺も連れてってくれ。俺だって気になってるんだ。」


「なんだ、兄ちゃんも気になってたんじゃん。」


「そりゃあな…」


 まあ、気になっても仕方ないわな。


「じゃあ、皆で行こうぜ。俺達が拒む理由が無いからな。反対する奴はいるか?」


 俊太の言葉の後に沈黙が流れる。


「いないみたいだな。よし!行くぞ!」


 沈黙を肯定の意思ととらえた俊太は出発を促し、皆はライの案内の元、村長の家に向かった。







「いかにも、わしが村長じゃ…その者達は随分と小さいのう。」


「やかましい。俺たちだって好きでこんな姿をしてるわけじゃないんだ。」


 俺たちは村長宅に到着した。


「そのことは村長が興味を持っていたら後で話す。だが、今は早速本題に入らせてもらう。何故この二人に風車を動かさせた?それも隠して。」


「な、何のことやら…」


 俊太の一言で村長が明らかに動揺している。


「とぼけないで。こっちには目撃者がいる上に、ウィドとライがいるのよ。言い逃れは出来ないわ。」


 タカミが追撃をかけると、村長は目を瞑って俯き、少しの間黙り込んだ。

 そして諦めたような表情をして、行った。


「……分かった。わしが知っている事は全て話そう。」


「知っている事?」


 知っている事も何も、風車を動かせと言ったのは村長だったはずだ。なのに何故、そんな意味不明な言い回しをするんだ?


「ああ。わしも頼まれたのじゃよ。」


「え?」


「村長も?」


 ウィドとライが驚く。俺たちも驚いた。


「ああ。風車が造られたのは、ライ達に言った通り、村興しをするためじゃ。それは変わらん。

 じゃが、つい最近…ライ達が来る数日前辺りじゃったっかのう。ある男がこの村に来たのじゃ。」


「…その男の名前は?」


「それが、用件だけ言うと、名乗りもせずに帰っていきおったのじゃ。」


「その用件は?」


「風車を動かしてこれに風を当ててくれ、俺は行かないが、一週間ごとにこちらのものが来てそれを買うからよろしく頼む。と言っておった。これじゃ。」


 そう言って村長は、懐から緑色の石のようなものを取り出し、部屋にあった机に置いた。

 俺たちはかごごとその机の上にいるので、見えないなんて事は無い。


「これは…吸風石きゅうふうせき?」


「吸風石?」


「聞いたこと無い…」


 ギーナが言った吸風石という単語に、誰も聞き覚えが無いようだ。

 この世界の住民のはずの、フラルとキャビも分からないようだ。当然俺も無い。


「そう。これは吸風石と言ってな。これに風を当てると、当たった風を吸収するのじゃ。

 そして少し魔力に当てられれば、吸収された風を放出するのじゃ。聞いた話だと、その量は調節できるらしいのう。」


「あれ?じゃあ、わざわざ風車を使わなくても、ウィドの能力でつくった風を当てれば良いんじゃ…」


「いえ、吸風石は魔法や能力でつくった風を受けると、それまで吸収してた風を放出しちゃうの。だからわざわざ風車を使って回りくどい方法を使わないといけなかったのね?」


 村長の解説だけを聞くとタカミの意見ももっともなのだが、ギーナが更に補足して否定する。


「さよう。そういうことじゃ。」


「でも、何に使うの?」


「それは分からん。別に悪い事に使うわけじゃないから心配するな、とは言っておったがのう。」


「へえ~…怪しいわね。」


 タカミに同意だ。これは怪しすぎる。


「でも、なんで受けたんだ?そんな怪しい依頼。」


「ああ、この村も少し予算が厳しくてのう。報酬は悪くなかったし、別に良いかという感じじゃった。」


 大人の事情って奴か。世知辛い世の中だ。

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