第百七十一話 ここに来て解説?抜け駆けすんな!?
一話目。
「え?なに?夏休みの宿題を全くしてなかったの?」
「ああ…って、何故フラルが訊きに来ない!?こういうときは大体、夏休みって何!?とか、宿題って何!?とか訊きに来ると思ったんだが…」
「…エレスには夏休みも宿題もあったでござるからな。」
「エレス?」
「…エレスって言うのは、子供が通う…」
「あ、要するに俺がこの世界に来た時に話してくれた小学校っぽいやつか。オーケーオー」
「小学校って何でござるか!?」
「…ケー。まあ、俺たちの世界のエレスのことだな。その後に、中学校、高校、大学とあってな…」
ここから、俺の解説が始まる。
「…というわけだ。ちなみに俺たちは高校生。」
「へえ~、そっちの世界も大変ね~…」
「まあな。」
ここで解説終了。
「話を戻そう。宿題に全く手をつけてないのは俺だけか?」
「守。俺もだ。」
「俊太、お前ならまだやってないって、なんとなく分かってたぜ。同士よ…」
内心呆れも入っているが、それは悟られないようにしておこう。
「ああ。で、他は?」
「終わってないけど少しは。」
「私も。」
「…私も。」
「俺もだ。」
「お、お前ら…裏切り者!」
「いや、だって…」
「一週間もあったら少しは…なあ…」
「むしろ俊太がおかしいだけよ。まあ、守は仕方ないとも言えなくもないけど。」
「……俺、皆に一つ頼みがある。」
「…なに?」
「今すぐ姿を元に戻して、元の世界に返してくれ!そして宿題させろ!!」
「断る。」
「駄目に決まってるじゃない!私も終わらせたいし…」
「俺を置いてくなんてずるいぞ!俺も宿題してないんだからな!!」
「「「「「いや、それは自業自得。」」」」」
「…あれ?そういえば高壁は?」
宿題議論をしていると、向こうからタカミの声が聞こえてきた。
「皆さんが宿題論議している間に、守さんのポケットから何か出して消えました。あと、伝言で、
「私、宿題するから帰る!守、世界を移動できるやつ借りるよ!」だそうです。」
「「「「「「高壁ええええええええ!!」」」」」」
リセスの声が聞こえた俺たちは、一斉にツッコむ。
あいつ逃げやがった!しかも世界を移動できる障壁持って行きやがった!!
「なにやってんだあいつは!」
「まったくだ!抜け駆けしやがって!!」
「でもこの体じゃ、ペンも持てやしない…」
「…私も行ってくる。」
というと、移図離は消えた。転移でもしたのだろう。
「移図離も抜け駆け!?」
「裏切り者ーーーー!!」
「早く皆を元に戻せ!そして皆で移図離を追っかけるぞ!俺に良い考えがある!!」
「駄目だ!俺たちを元に戻すジュースは俺達の世界の冷蔵庫にある!移図離しか取りにいけないんだ!!」
「なんでこっちに持ってこなかった俊太あああああああ!!」
「罰ゲームを受けた奴が不当に元に戻ることを防ぐためだあああああああ!!
あと、冷蔵庫に入れとかないと駄目な気がしたからだああああああ!!」
「何でこういうときだけ頭が回るんだ貴様はああああああああ!!」
「知るかあああああああああああ!!」
その後も叫んでばかりの口論はしばらく続いた。
ここであの二人が抜け駆けすることは、作者にとっても予想外でした。
深夜テンションの悪ノリって怖い…




