第百七十話 まさかの危機?思い出したくも無かったアレ!?
二話目。
朝食が終わり、皆はリビングから出て行った。
てっきり俺たちをいじってくると思ったが、そんな事は無かった。飽きたのか?
と思っていた俺たちだったが、部屋に戻ろうとすると全員ある問題に気が付いた。その問題とは…
「「「「『テ、テーブルから下りれない…』」」」」
そう。テーブルから降りれないのである。
ここから飛び降りれば確実にあの世行き、しかしエレベーターやエスカレーター、階段などの降りるためのものなどある訳が無い。
「一体どうすれば良いんだ…」
「落ち着いて考えろ!何か手はあるはずだ…!」
「とは言ってもどうするのよ~!」
『落ち着け!落ち着け貴様ら!そして死に物狂いで考えろ!!」
「落ち着いたら死に物狂いになるまで必死に考えないだろ。とりあえず皆冷静になれ。」
「「「『お前は何で落ち着ける!?』」」」
「色々あったんだよ…そりゃもう色々とな…」
「「「『何かスマン。』」」」
遠い目で言うと、皆は引き下がってくれた。分かってくれて何よりだ。
「…そうよ!守!障壁で階段創って!」
「無理。女になってる時は障壁を出せないって、この前言っただろ?」
「でも、いつか出せるようになるって…」
「いつか、な。少なくとも今は無理だ。」
「そんな…」
光は残念そうにしているが、俺はまだ女の状態で障壁は出せない。障壁が出せるのならもうとっくに出して床に降りている。
…あ、そうだ。俺にはもう一つの能力があるじゃないか!
「…本当に打つ手無しか。」
「どうすれば…」
「………」
「…守?なにして」
ガクッ!
「うお!?」
「何!?」
「なんだ!?」
『守!何をした!?』
「…よし。成功だ。」
「「「『へ?』」」」
今何をしたのかを説明すると、まずテーブルに触れ、テーブルの足が伸び縮みする機能を付けた。条件は触れて高さを思い浮かべた時だ。
そしてその機能を使い、俺たちでも降りられる高さにした。
物理的な法則?魔法とかあるのに今更過ぎるだろ。
「皆!これで降りれるぞ!」
「へ?…床が近い!?何をしたの守!?」
「テーブルの高さを変えられる機能を付けた!」
「ナイスだ守!」
『では行くぞ!』
皆がテーブルから降りる。
「…あっさり降りた。」
「…移図離、聞こえないと思ってんのか?というか、実は皆で見てただろ。
でなきゃ誰からもいじられないわけが無い。飽きるにしては早すぎるからな。」
「え~ばれてたの~?」
バレバレだ。キャビ。
「ばれてたでござるか…セッシャも、精進が必要でござるな。」
そんな精進はいらないぞ。
「…守って、たまに頭良いのか馬鹿なのか、よく分からない時があるわよね~…」
余計なお世話だ。タカミ。
「ちなみに私の分析によると、守は必死な時のみ頭の回転が速くなるもよう。」
ギーナ、やかましい。俺も普段からこんなに頭が良ければなと思ってはいたよ。特にテストの時とかは。
「まあ、守は昔から追い込まれてからの追い込みが凄かったから…特に夏休みの……」
光は喋っている途中に青ざめていった。何なんだ?
「ああああああああああ!!」
「うわ!?突然叫ぶな!」
と思ったら叫びだした。何なんだ一体…
「夏休みの…宿題…忘れてたーーーーーーー!!」
…………
「「「「「ああああああああああああああああああああああ!!!」」」」」
しまったーーーーーーー!!
俺全く宿題に手をつけてねえ!初日に異世界に来たから仕方ないといえばそれまでだけどすっかり忘れてたーーーーーー!!
六人の衝撃はすさまじく、普段無口の移図離までもが叫んでしまうほどだった。
…マジでどうしよう。
作者の宿題に関してはノーコメントで。
…宿題の場面でギクッとした読者様。
居たらで良いですが、作者から一言。
…そろそろ焦った方が良いですよ?早めに終わしても損はありませんから。




