第百六十五話 元ネタ知らずで安心?ダイヤっぽい石の正体!?
一話目。
今日から課研が休みだから書ける!
書けるぞーーーーーーー!
あ、明日と明後日は別件で用事が…
…まあいいや。
「………」
ギーナはポカンとした表情をしつつ固まっている。
まあ、何の脈絡も無くあんな事を言えば呆けたりもするか。
「……本当に大丈夫?」
「大丈夫だ。問題無い。」
元ネタを知っていれば不安になる返しだが、ギーナは元ネタを知らない。よって、大丈夫だ。問題無い。
「…なら良いわ。」
「で、さっきは間違えたけど、今度こそ言いたい事がある。ゴメンな!」
今度こそ言えた。というか何でさっきは間違えたのだろうか。
「分かればよろしい。」
ギーナは満足気に頷いた。
割とあっさり許してもらえて拍子抜けしてしまったが、それは言わないでおこう。
「で、本題に入るが…何なんだこの石は?」
許してもらえたので、早速ダイヤっぽい石を触れないように床の上に障壁から出し、訊いてみる。
「…その石は、数年前に王城から盗まれたと言われている宝石、レアモンドの結晶よ。レアモンドは大体不純物が混じっいるけど、この石は特別で、不純物が含まれていない純粋なレアモンドの結晶なのよ。王城にいた人は全員アリバイがあって、どこからか入ってきた侵入者が盗んだという説が有力。だけどその痕跡が見当たらないせいで、侵入したルート、手段は不明。盗まれた時からの目撃情報は一切無いわ。」
「……なんでそんなものすごい石が森の中なんかに落ちてたんだ?」
「分からない。まさか落としたなんて間抜けな事じゃないだろうし……意図的に誰かに拾わせようとしたのかも。」
「…誰かに拾わせるメリットが分からない。落としただけって言うのを願うしかないか…」
「そうね…侵入の痕跡も残さなかった用意周到な犯人が宝石を落とすなんて考えられないけど。」
「それを言わないでくれ。というか、仮に拾わせるためだったら俺が危ないから考えたくない。」
「まあ、盗んだ犯人と守が拾うまで持ってた人が一緒だとは限らないけどね。それを願うしかないわよ。」
「だよな…」
まあ、要するに、
・俺が危ない可能性がある
・この石を持っていることを多くの人に知られたらヤバイ
と言う事か。
なるほど。面倒くさい。
「ん?待てよ…じゃあいっそ王城に自己申告すれば…」
「それだと問答無用で処罰を受ける可能性があるから止めた方が良いわよ。
人間、口では何でも言えるから、正直に森で拾った何て言っても信じられない可能性のほうが高いわ。」
ムムム…じゃあ、これは隠し持ってるしかないのか。
「じゃあ、このことは内密に」
「聞~いちゃった、聞いちゃった~」
「「え?」」
ドアから幼稚園児だか小学生だかみたいな台詞のタカミの声が聞こえてきた。
そしてドアから現れたのは…
「「み、皆!?」」
タカミだけではなく、皆だった。
「セッシャがチクッたでござる。」
「フラル貴様!」
「一応同じ部屋割りでござるからな。ギーナが部屋を出て行ったことに気付いていたのでござるよ!」
「なんだと!?ギーナは気付かなかったのか!?」
「泳がせておいたわ。追い払うのもめんどくさかったし。それに、どうせ後で皆に話す気だったしね。そっちのほうが面倒が少なそうだから。
まさか皆を連れて来るとは思わなかったけど…手間が省けて助かったわ。」
「なんだ、皆に話す気があったなら早く言えよ。焦ってた俺がバカみたいじゃないか。」
「そうよそうよ~おどかすために話しを聞きつつ待機してた私達がバカみたいじゃない。」
「…いや、うまく利用されたとも考えられるな。ギーナの事だ。フラルが皆を連れてくる可能性を考えて泳がせていたのかもしれない…」
「だから、私はそこまで考えてなかったわよ!」
このあと、石の事はここにいる全員の中だけで内密にし、今まで通り俺が持っていることとなった。
のだが…
「しかし、きれいな石だな。盗まれるだけの事はある。」
「おい止めろテチヤ!それに触るんじゃない!!」
「え?」
テチヤが石に触ると石が光った。




