第百六十一話 必死の交渉?忘れられた約束!?
一話目。
遅れてしまい申し訳ありません。
「せめて!せめて明日にしてくれ!」
「駄目だよ。そんな事言って逃げるつもりでしょう?」
俺の発言をタカミが否定する。
捕まってしまった後、俺たち五人は椅子に縛られ、身動きが取れず、逃げられない状態になってしまった。
だが、あんな液体を飲む覚悟なんぞ、この短時間に出来るわけがない。
故に説得するしかない。せめて心の準備くらいはさせて欲しい。
「そ、そんな気は無い!せめて心の準備をさせて欲しいと言ってるんだ!」
「そ、そうよ!せめて執行猶予くらいちょうだい!」
俺の言葉に光が便乗する。
実はそんな気はあった。ほんの少しだったが。
「そんな事、認められないわ!」
こんなところで火事場の馬鹿力っぽい閃きが来た。ハクと戦ってた時に来て欲しかったが、贅沢は言ってられない。
今ここできてくれただけでもありがたく思っておこう。
「では、何故だ?」
「え?何故って…あなた達五人が罰ゲームを受ける事が決まっているからよ!」
「ふむ…では、いつだ?」
「は?」
「ゲームの前にいつ罰ゲームを受けるかを決めたと訊いている。つまり何が言いたいのかと言うと…」
「あ!そっか!罰ゲームを受ける事は決まっていても、いつ罰ゲームを受けるかは決まってないんだ!」
「その通り。」
罰ゲームを受ける…つまり、あの実ッ苦ス汁スを飲むことは決まっていても、いつ飲むかは決まっていない。
つまり、実ッ苦ス汁スを今日飲もうが明日飲もうが、極端に言うと来年飲んでも良いのだ。まあ、さすがに来年まで引っ張るつもりは無いが。
「そ、そんなのは詭弁よ!」
「詭弁でも良いじゃないか。とにかく、俺たちが罰ゲームを受けるのは明日にしてくれ。ちょっと用事もあるしな。」
用事、と言うのは口からのでまかせだ。実際は用事も何も無い。
「……そう、用事があるなら仕方ないわね…じゃあ、明日まで待ってあげる。皆もそれで良い?」
この問いには誰からも異論は無く、俺たちには明日までの執行猶予が与えられた。
「…来ない…」
罰ゲームを受ける五人が逃げ出すということもあったけど、あの後は罰ゲームの事など無かったかのようにいつも通りだった。
それで夕食云々も済んで、さっきの石の件を守に言おうと部屋で待ってたんだけど…全く来る気配が無い。もう皆は寝ていると思う。
後で来てって言ったのに…まさか、忘れて寝てるんじゃないでしょうね。
「見に行こうっと。」
私は守が使っている部屋に行ってみた。
「………」
「グー、スー」
寝てた。思いっきり。
守が使ってる部屋に来てみると、案の定守は寝ていた。どうやら本当に約束の事を忘れていたらしい。
「…バカ守…約束くらい守りなさいよ…」
呆れた。ホンットーに呆れた。そもそも石のことを訊いてきたのは守だったのに…
何で訊いてきた本人が忘れるのか。
このまま起こして説教…といきたいものの、それでは詰まらない。
もっと面白い、守を戒めて私の怒りをぶつける方法は無いのか…と、思い、少し考えてみたらあっさり良い案が出てきた。
これなら面白いし、戒められるし、怒りもぶつけられる…もっとも、やってる事は嫌がらせに近いけど。
さて、どうなるかな。
私は少し細工をして、その様子が見られるように魔法を使い、待機した。
後半、○○視点とかって書いたほうが良いかな~と思ったり思わなかったり。




