第百五十八話 やっぱり猪突猛進な誰かさん?勝負に出たアイツ!?
二話目。
眠い…宿題もある…のに…
第十一試合。
俊太対リセス。
分からない人が見れば、なんで負けた奴らが戦うの?と思うかもしれない。
だが、このゲームはあくまで敗者を決めるものであり、勝者を決めるものではない。
もともと、俊太が罰ゲームを誰かに受けさせるために始めたのだ。
わざわざ時間をかけてまで一位を決める必要も無いのだ。
だからこのゲームは言わば逆トーナメント。負けたら上がり、罰ゲームを受ける五人に決まった時点で終わる…と言うものだ。
更に、このゲームの参加人数は二十一人。負けたのが十一人。よって、ここで負ければ罰ゲーム確定となる。
要するにさっき負けた十一人には後がない。
ちなみにここでも最後の試合は三人でするものとなり、最初に脱落した者が罰ゲームを受ける事になる。
「さて、さっきはあっさり負けちまったが、今回はそうはいかねえぞ!」
「私も負けるわけにはいきません。よって、この勝負、何としてでも勝ちます。」
さて、選手のやる気は高い。どんな勝負が見れるかね~。
「第十一試合、始め!」
「はっ!」
太郎の掛け声と同時に俊太がリセスに突っ込んでいく。さっきと同じように。
…学習しないのかコイツは。
「…俊太さん。既に対処された手が使えるとでも思ってるんですか?」
リセスは呆れたように突っ込んできた俊太を避ける。当たり前だ。
「俺はそこまで馬鹿じゃないぜ!」
そこまでという事は自分は馬鹿と言う自覚があるのだろうか。
なんて揚げ足を心の中で取ってみたが、どうやら俊太には考えがあったらしい。
急に俊太の速さが遅くなり、地面を蹴って方向転換したかと思えば一時は緩んでいた速度が上がった。
そして、更にリセスに突っ込んでいく。
「どうだ!」
「また避ければ終わりじゃないですか!」
リセスは更に避ける。
だが俊太はまた同じ方法で方向転換し、突っ込んでくる。
それが何回か続き、見ているこちら側も飽きてきた頃、リセスが勝負に出た。
俊太が方向転換しようと速度を緩めたところで、リセスが魔法を放った。速度重視の光線みたいな魔法で、あまりにも早い攻撃に俊太も避けられなかった。
「グッ…」
怯むだけに終わったが、リセスは攻撃の手を止めない。
強風を出し、俊太をリングアウトさせる。
「勝者、リセス!」
もう勝負が決まった。やっぱり、俊太は速度を変える能力で試合が終わる速度を早くしているのでは…と疑うほど早い。
今回は俊太が能力を生かしきれてなかった事が敗因だろう。もっと自分の能力を生かせよ。後々問題になりかねんぞ。
「だああああ!負けたああああああああ!!」
「俊太は罰ゲーム決定だな。言いだしっぺがなぁ?」
太郎が負けた俊太をいじる。もう許してやれよ。
さて、次はハクと俺か。この試合、絶対に負けられないな。




