表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
163/630

第百五十七話 第十試合は二対一?絶対的な優位!?

一話目。

休日だから時間があると思っていましたが、そんな事はありませんでした。

無念。

 第十回戦は、何と言う事でしょう、出場選手は三人です。

 ここまで出てこなかった太郎、火太郎、ガーニャの三人だ。


「「よろしくお願いします!師匠その3!」」


「はい、よろしく。」


 そう言えば、ガーニャも皆に訓練させてた教師側だったって言ってたっけな。太郎が。


「第十試合開始!」


 審判は俊太になった。あの後何とか復活し、ついに審判の座を太郎から奪い取る事に成功したようだ。

 まあ、この試合が終わったら奪い返されそうだがな。


「さて、二人まとめてかかってきなさい。」


「「はい!」」


 師匠の余裕か、ガーニャは火太郎と太郎に一気に掛かって来させた。


「若いって良いわね~。」


 年寄りくさ…

 い、いやなんでもない。決して殺気を向けられたから思考を中断したわけじゃないぞうん。

 あれ?皆顔がこわばってるような…気のせいだよな?


「さて、と。失礼な事を考えかけてた輩はほっといて、試合に集中しないとね。」


「「……は、はい!」」


 太郎と火太郎も顔がこわばっていた。お前らもか。


「さあ、行きますよガーニャさん!」


 そう言って火太郎が突っ込んでいく…わけでもなく、炎の玉を飛ばしてガーニャに攻撃した。

 皆が魔法で出すような火の玉ではない。もっと強力な、赤い炎だ。


「やっぱり炎を使ったわね。まあ、能力って言う点では十八番だから当然と言えば当然ね。」


 火太郎にも能力が目覚めてたのか。

 となると、太郎は何なんだ?仲良し六人組(守、太郎、火太郎、俊太、光、移図離の六人)で能力が明らかになってないのはアイツだけだが。


「でも、そんな攻撃単調すぎるわ。小手調べのつもり?仮にも師匠の一人に向かって。」


「いや、本番はこれからですよ。」


 火太郎にはなにやら秘策があるらしい。

 と思っていたら、炎が徐々に失速し始め、地面に落ちた。


「…なにやってってえ!?」


 地面に落ちた炎は消えてなくなると思いきや、地面に落ちると小さい幾つもの炎となり、ガーニャに向かっていった。


「でも、甘いよ!この程度なら対処くらい出来る!」


 ガーニャは風をゴウ!と言う音とともに壁のように展開し、炎を防ぐ。


「そのくらいは分かってましたよ。太郎!」


「おう!」


 どうやら、ガーニャが炎に気を取られている隙に、太郎が回りこむ作戦だったらしい。

 太郎がガーニャの後ろから近づき、殴りかかる。

 …どっかで似たような作戦を実行したような…気のせいか。


「…まだまだ甘いよ。なんで風の壁で火太郎君の攻撃を防いだのか、分からない?」


「「?」」


 どうやら二人は分かっていない様子だ。

 だからと言って、俺も分かっている訳ではないが。


「ただ防御するだけなら土の壁の方が良いに決まってるじゃない。

 なのに何故風の壁にしたかって言うと…」


 太郎の攻撃はあっさり避けられ、そのまま風系統の魔法か何かを使ったのか、太郎はリング外に吹き飛んでいった。


「視界を遮らないからよ。風は色が付いてるわけじゃないから壁の向こう側も見れる。

 だから後ろに回り込もうとしていた太郎君の姿も見れた。炎が散らばったあたりで牽制目的じゃないかって分かったからね。前もってこういうことの対策は考えてたの。

 どこかの誰かさんがその手に引っかかったから。」


 そのどこかの誰かさんはというと、苦い表情をしている。

 言ってやるなよ。

 とりあえず、太郎は負けだな。


「く、くそっ!」


 リング外から太郎の悔しそうな声が聞こえる。


「はははははははははは!太郎ザマァ!俺の審判役を取った罰だ!!」


 そしてその負けを笑う俊太の声が聞こえる。


「なんだと!それとこれとは関係ないだろ!?」


 更にその声に反論する太郎の声。もうこいつらはほっとこう。


「……それで、どうするの火太郎君?」


「うっ…」


 火太郎は返答に詰まっている。他の作戦は考えていなかったのだろうか。


「じゃあ、アタシから行くわね?」


 ここからはガーニャのワンサイドゲームだった。

 火太郎が炎を出してもことごとく防ぎ、逆にガーニャの攻撃は通じる。

 ガーニャは火太郎を試すように試合を長引かせたが、結局最後までガーニャの優位は覆らなかった。

 そして…


「勝者、ガーニャ!」


 火太郎のリングアウトで第十試合は幕を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ