第百三十九話 皆はどうしたんだ?さあ、説明だ!?
二話目…になるんだろうか?
とうとうこの作品にも、感想を頂けました。
ありがとうございます!感謝感激感動です!!
「ただいまー!」
俺たちは馬車を降り、黒服によって見送られた後、ギーナの家に帰ってきた。
一応、黒服によって通達が来ているはずなのだが…正直怖い、父さんが。
という心配をしていると、皆が一気に出てきた。
「お帰…り?」
もうこの家でもただいまとお帰りのやり取りが馴染み始めたか。それはともかく、ギーナの奴、どうしたんだ?
「なんで高壁とルーマが増えてるの?」
は?増えてる?何言ってんだキャビ。別に高壁もルーマも増えても減ってもないぞ?
「守は?守はどこだ!奴にはまた制裁を加えねばならん!」
目の前に居んじゃん父さん。でも、分からんみたいだからラッキー。
「落ち着いて、あの子にとっても不可抗力なんだから…」
果たして、この母さんのフォローで父さんがどれだけ食い下がってくれるか…
「アンカーも居ない!?どこに行ったのあの二人は!」
え?それはマジか光!アンカーは…居るじゃねーか!!
「お~い!守~?どこに居るんだ~?居たら返事しろ!痛い目に遭いたくなければなあ!」
俊太、居ないのにどうやって痛い目に遭わせるんだ?しかも、父さんが居るからどの道痛い目に遭うという…
どうすりゃ良いんだよ!!
「…物騒。」
何がだよ移図離…あ、デュアのことか。確かに物騒だな。
「え!?どっからかっぱらって来たのそんな物!?」
かっぱらってない。
「守~アンカ~?どこに居るの~?」
フラル(もしくはハク)も…一体どうなってやが…
あ。忘れてた。俺、今女じゃん!アンカーも!
なるほど…だから皆気付いてないんだ…この姿に馴染みすぎてて分からなかった。
しかし、このままじゃ、話は進まない。父さんも制裁は恐いが、母さんのフォローで何とかなったことを信じて話すか。
「俺はちゃんとここに居るぞ。」
「はあ?何言ってんだ?…ああ、高壁か。確かに、お前も。”高壁守”だったな。でも、俺が言ってるのは…」
「だからさ、俺がその俊太が言ってる高壁守だって言ってんだよ。」
「…はあ?どういうことだ?」
俊太だけでなく、出迎えに来た皆も呆けた様な顔をしている。
「ああ。この説明には結構な時間が掛かるから、とりあえずリビングに移動しよう。そこで話す。」
「あ…ああ…?」
まだ飲み込めていない様子が拭えないが、とりあえず皆はリビングに移動した。
…訂正。約二名信用半分、疑い半分みたいな様子の奴が居た。
もちろんというべきか、ギーナとテチヤだ。あいつら、なんかの補正でもあるんじゃないか?
…あり得るから困るな。天才補正とか。
「俺とアンカーはティエスの実を食わされてこうなった。以上。」
「もったいぶってそれかよ。簡潔すぎてよく分からんがなんか分かった。という訳の分からない感想しか出てこねぇ。」
「もっと詳しく頼むよ。」
はい、説明終わり。なんていかなかった。俊太と火太郎によって、俺の、”あっさり説明はい終わり作戦”は、全てが終わった。
「しかも、その背中の物騒な物の説明も無いし。」
「デュアの事かーーーー!!」
「…うるさい。」
決死のボケも一刀両断。今の移図離の言葉は、鉄をあっさり切り裂くデュアよりも切れ味があった。
…こんな調子で大丈夫なのか?
「すいません。俺がちゃんと説明します。」
一人称からしてアンカーか?リセスとアンカーの見分け方が一人称しかないってきついな。
と思っている間にも、アンカーは皆に説明をしている。時折来る質問にも、難なく対応している。
これなら俺の出番は無さそうだ。高壁守は、クールに去るぜ…
「どこへ行くんですか?守さん?」
…リセスに回り込まれた…巻き込まれる前に逃げようと思ってたのに!!
「無様なもんだね。」
高壁の追い討ち!もう止めてくれ!俺のヒットポイントはゼロに…
「ねえ守!後でその剣の説明してもらうよ!」
…光のその一言によって、俺も説明する事になったとさ。チャンチャン。




