第百三十話 残された守と階段?ようこそ地下室へ!?
二話目。
もう眠い…
さて、見事に取り残されてしまったわけだが…
一体どうしろと?
俺としては、ただでさえ怪しいのに、夜の暗さもあいまって更に怪しさを増したこの階段を元の壁にした後、部屋に戻ってこのことを忘れたいのだが。
この階段を元の壁に戻す方法なんて知らない。よって、その願いは叶わない。
ちなみに、明かりをどうしているかだが、高壁に障壁を出してもらい、それにいつぞやの廃屋の時のように魔法を使い、懐中電灯のようにしている。
高壁め…後で覚えてろよ?…って、罰が思いつかん。それに障壁も出してもらったからもういいや。
それより、この階段をなんとかしないと…
『階段を降りて来い…』
…あれ?なんか聞こえたような…あ、そうか。フォルフか。テレパシーはアイツの特権だしな。
全く。こんなところまで来るとは…
『何をしている…早く来い…』
…とりあえず、この声に従うのは確実にだめだと、俺の本能的な何かが必死に訴えている。
よって、俺は早く部屋に…
『来ないなら、来させるまでだ…』
へ?何言っちゃってんの?来ないから来ないのであって、来させる事なんか…紛らわしいな。
『さあ、早く来い…』
その言葉の後の少しの間の記憶は無かった。
「…あれ?ここどこだ?」
気が付くと、やたら広い空間に居た。
障壁の懐中電灯…障壁電灯を辺りに照らすが、距離のあるところに壁があるだけだ。
後は、俺の後ろに階段があるくらいか。しかし、その階段の前に鉄格子のようなものがあり、その鉄格子には鍵がかかっていて、階段には行けない。
更に、他の出口は無いようだ…って、これ詰んだ?
『ようこそ。この城に隠された地下室…我が部屋へ。』
「隠された?我が部屋?」
何を言っているんだ?訳が分からん。
『貴様は覚えていないだろうが、貴様は先ほどの階段を降りて来た。まあ、貴様自身の意思ではなかったのだがな。』
…え~と?ドユコト?
『分かりやすく言おう。貴様は我に操られ、先ほどの隠された階段を降り、この部屋に来た。と言う訳だ。』
………ああ、ようやく分かってきたぞ。俺はこの声の主に操られて高壁が見つけた階段を降りて、この声の主の部屋でもあるこの部屋にたどり着いた。と言う訳だな?…間違ってないよな?
あれ?マジで?他に無い事から考えるに、さっき見た鉄格子の向こうにあった階段が、俺が降りてきた階段なんだよな?
って事は…
「俺、もしかして閉じ込められた?」
『そうなるな。ようやく自分の立場を把握できたか。』
「………えええええええええええ!!??」
狭く、暗い地下室に、俺の声がこだました。




