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第百二十七話 怒ったアンカー?まさかの爆弾投下!?

一話目。

強制有志応援なんて行きたくない。

早く終わってなろうラジオが見れることを祈るばかりです。

「貴様!国王様に何と無礼な!」

 

 いつの間にか出てきた黒服が言う。あんな様子のアンカーに言うとか度胸あるなーとか、いつの間に出てきたんだよお前は。とか言っている場合ではない。

 

「お前は黙っていろ。それより、お前だ。」

 

「!」

 

 これは殺気ではない…怒気だ。

 アンカーはものすごく怒っている。

 

「お前は自分の娘の気持ちも分かろうとしないのか?」

 

「そんな事は…」

 

「本当にそうか?確かに先ほどお前が言ったとおり、人は他人の気持ちを完全に分かる事はないだろう。でもな、お前はその事を盾にして、そもそも分かろうともしなかったんじゃないのか?その辺はどうなんだ!?」

 

 アンカーが恐い。さっきの国王なんて目じゃないほどのプレッシャーを放っている。

 

「……」

 

「そんな他人の気持ちを理解しようともしないヤツに、リセスがとやかく言われる筋合いは無いんだよ!」

 

「………」

 

 国王は黙ってアンカーの言葉を聞いていた。全く喋らない。さっきから何かを考えるように俯き、目を閉じている。

 

「…言いたい事言えて、少しはすっきりしました。

 今のは頭に血が上ってるヤツが言った暴論だととらえてもいいです。少し言いすぎた気もしますから。ですが、これだけは覚えていてください。

 あなたは本当にリセスの気持ちを分かろうとしましたか?」

 

「…………」

 

 沈黙が流れる。

 誰一人喋らない。

 

「…すまなかった。」

 

 国王が突然謝った。

 

「わしはリセスの、自分の娘の気持ちをこれっぽっちも分かろうとはしていなかった。リセスが産まれた頃はあんなに可愛がっていたのな…

 最近は忙しいし、駄目なところだけを指摘して伸ばそう何てしていた。それがどれだけリセスを追い詰めるかなんて考えずにな…

 しかも、その方がリセスのためになるだの効率的だの言って、更にリセスの気持ちから遠ざかっていった。その結果がこの有様だ。

 リセスは家出し、どこの誰かも分からない他人の説教でようやく気付かされる…自分の子供の気持ちも分かろうとしない。わしは国王として…一人の親として失格だよ。」

 

 国王は謝罪し、自嘲しつつも反省の意を示した。

 よほど反省しているのであろう。頭をそのまま土下座しそうなほど下げている。

 

「良いんですよ。分かってくれれば。」

 

「ああ。済まないな…そう言えば、まだ名前を訊いてなかったな。わしはアング・アンカー。」

 

「えっと…私はリセスなんですが…」

 

「え?」

 

 台無しである。なんで実の娘の区別がつかないかな?

 どうせ、良いんですよ、と言ったのがアンカーだとでも思っていたのだろう、国王は驚いた表情だ。

 

「私は高壁守。」

 

「俺も高壁守。」

 

「え?名前が同じ?」

 

 今のは女王の方だ。国王は驚いた顔のまま、固まっている。

 

「ああ、そうなんですよ。ちょっと事情があって。紛らわしいんで、コイツは高壁、俺は守とでも呼んでください。」

 

「は、はあ…まあ、良いでしょう。それより、君の名前は?」

 

「………」

 

 アンカーは、自分の名前を言う事にためらっているようで、なかなか言おうとはしない。

 それもそうだろう。リセスとアンカーの名前は全く同じ。正直に名前を言えば、めんどくさい事になるのは目に見えている。

 

「…俺の名前はリセス・アンカー。父、アーク・アンカーと、母、アング・アンカーの息子です。」

 

 だが、アンカーは一気に爆弾を投下した。

 こりゃあメンドイことになるぞ…

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