第百十五話 ドッキリを仕掛ける?漫才乙!?
一話目。
夕食が終わり、俺は部屋に戻っていたが、しばらくしてある事を思いついた。
今、この部屋には俺しか居ない。高壁がさっき部屋に戻るのを見ていた。それも一人で。それ以外の皆は、一階に居た。
よし。これなら大丈夫そうだな。と思い、取り出したのはあの石が入った障壁。
俺はその障壁を消し、石に触れた。そして、女になる。
後は高壁にドッキリを仕掛けるだけだ。
俺は部屋を出る。
すると、同時にドアが開き、そこから男の俺が出てきた。
同時にドアを閉め、全く同じ速さで歩いて、近づく。
俺が右手を上げると、向こうも同時に右手を上げる。
俺が左手を前に出すと、向こうも同時に左手を前に出し、触れる。
パントマイムのようにせわしなく手を動かすと、向こうも同じ事をする。
「「なんだ、鏡か…」」
そう言って、俺は向こうを向いて部屋に戻り、
「「って、おい!だったら何で声が重なるんだよ!!」」
すぐに部屋を出てツッコむ。向こうも全く同じ動作だった。
「…まさか、俺の姿で部屋に来て、ドッキリでも仕掛けようとしてたんじゃないよな?」
「そっちこそどうなの?」
「じゃあ、二人同時に返事を言うぞ?せーの…」
「「そのとおり。って、何だこの漫才はーーーー!!」」
無駄に洗練された、無駄の無いシンクロってか?洗練した覚えはねえよ!!
「「はいはい、漫才お疲れー。」」
「「漫才をした記憶は無い!!そしてお前らも仲良いな!?」」
階段から、ギーナ二人が現れた。やっぱり、俺たちと一緒で、息ぴったりだ。
「そんな事は良いから、さっさと部屋に戻れば?だって部屋逆だし。」
「え?逆?」
「おいおい、じゃあ何で高壁が守の部屋に居て、守が高壁の部屋に居るんだ?」
「………ああ!そういうことか!」
俺はその言葉で、ようやく思い出した。そう言えば俺、今女だ。高壁も納得した様な顔をしている。
「んじゃ、部屋に戻るから…」
俺は高壁の部屋に行き、高壁も俺の部屋に行く。その時に、アイコンタクトで、
(わかってるな?部屋に戻ったら元の姿に戻って、ギーナ達が行ったら、さっさと部屋に戻るぞ?)
(わかってる。そっちもね。)
という会話が行われていた事を、ギーナ二人は知らない。
しばらくして、ドアの閉まる音が二回したので、俺はすぐに男に戻り、急いで部屋に戻る。
高壁もまた、部屋に戻っていった。
まあ、これでいいだろう。後は今のを誰かに…特にギーナ二人に見られてなければ。
あれ?これはフラグか?まあ、良いか。今日は早く寝よう。
…眠れない気しかしないが。
俺はベットに入り、横になった。
思いつきで書いてみた。進展は全く無い。
何でこんなの思いついたのか…




