第百十一話 帰ったか?前言撤回を申請!?
二話目。
百十一話。数字にすると、111のぞろ目か…
…だからなんだというわけではありませんが、もうそんなに書いたんだなあと思ったので。
「見つけたぞ!」
屋根から降り、しばらく歩いていると、ギーナに見つかった。
「おお!来たか、待ってたぞ!」
「は?」
まあ、見つかっても良かった。というか探してたから自分から来てくれるのはありがたい。
「ちょうど三人を探してたんだ。何とかルーマに会って、異世界にいける機能を付けた物をゲットだぜしたからな。」
ルーマに会って、のところがルーマニアって、に聞こえてしまった。自分で言ったのにな。
「ゲットだぜしたってなんだよ…まあ、とにかく準備は整ったんだな?」
「そうだ。んで、まだいないあの二人を探すのを手伝」
「見つけたよ!」
「観念しなサーイ!」
といってるそばから来ちゃったよこの二人。
「ああ、ちょうどよかった。喜べ、準備が整ったぞ。」
「へ?準備?」
「何の事デースカ?」
「よし!とりあえずこっちに来い!」
「え?マジでどうしたの?」
戸惑っている二人と、その二人に説明をしている二人を連れ、俺は人気の無いところを探した。
…これで三回目か。どんだけ人気の無いとこ探さなきゃいけないんだよ。
「よし、じゃあ、ここでいいか。三人とも、俺に摑まってくれ。」
「え?う、うん…」
人気の無い場所を探し出した俺は、三人に呼びかけ、三人が摑まったのを確認し、準備をする。
準備といっても、さっき機能を付けた障壁を持って、元の世界の事を思い浮かべるだけだ。実に簡単。
元の世界の事を思い浮かべると…
「うわ!?」
「何だ!?」
「ワット!?」
俺を中心に辺りが光り輝いた。
光が収まって目を開けるが、そこに広がっていたのは世界を思い浮かべる前と同じ光景だった。
ちゃんと三人も居る。あれ?失敗したか?と、思ってしまう。
しかし、確認しない分には何も分からない。という訳で、まだ目をつぶっている三人に話しかける。
「一応終わったぞ。」
その言葉を聞くと、三人は目を開けた。
「え?全く変わってないよ?」
「そうだな。」
「本当に~終わったのか~?」
なんかまたフラルの口調が変わっている。が、もう何も言うまい…
「ああ。…俺もうまくいったかどうかは分からんが…」
「おい!」
「まあ、調べてみなきゃ、俺にも分からん。という訳で、調べに行くぞ。」
「待~て~よ~?」
俺たちは大通りに出て、早速調べようとした、が、調べる必要は無かった。なぜなら…
「あ!やった見つけたよ守…って、あれ?その三人は?」
なぜなら、大通りに出た時点で、ギーナ(女)が来たからだ。
ああ、間違いなく戻って来れたな。良かった…
「…おい、守。お前はどこに行ってたんだ?」
…前言撤回の許可を申請する。こんな父さんの人をも殺せそうな殺気を含んだ声を聞いて良かったとか思えない。
「…異世界に。不可抗力で。」
とりあえず答えてみた。助けてくれ!といわんばかりの視線を四人に送るが、返事は、
「無理…」「無茶言うな。」「無~理~。」「ごめん…」と言わんばかりの視線だった。
……もう…だめなのか…俺は…
「…後で話しは聞いてやる。だが、とりあえず罰を受けろ。」
父さんの殺気が、更に膨れ上がった。もう俺は死ぬかもしれない…
そして父さんは信じられない速度でアッパーを繰り出す。迫り来る拳を見て、浮かんでくる走馬灯。
それは俺に生きろと言っているようだが、無理だ。とうとう走馬灯まで無茶を言う時代になったか…
と、考えていると、拳が俺に命中し、俺は空高く飛んでいった。
消え行く意識の中、俺が感じていたものは、空に浮く感覚だけだった…




